3行まとめ:
- WordPress:長期資産として「自分の城」を築きたい方、コスト重視の方におすすめ
- Studio:直感的操作でデザインにこだわりたい方、日本語サポート重視の方におすすめ
- 選択の基準:所有権・将来性・運用コストを重視するか、使いやすさ・デザイン性を重視するかで判断
ホームページを作ろうと思って調べ始めると、必ず出てくる選択肢が「WordPress」と「Studio」。どちらも魅力的で、結局どっちにすればいいのか悩んでしまいますよね。
制作会社に丸投げするのではなく、「自分でも更新や修正をしたい」と考えているあなたにとって、この選択は特に重要です。
この記事では、Web制作の現場を知る立場から、それぞれの特徴を率直にお伝えします。「こんな方にはWordPress」「あんな方にはStudio」と、明快にアドバイスいたします。
まず知っておきたい基本の違い
WordPress(ワードプレス)とは
- **世界のサイトの約40%**で使われている、最もポピュラーなサイト制作システム
- ブログを書く感覚で、サイトの更新ができる
- 完全に自分のものとして所有できる(独自ドメイン+レンタルサーバー)
- 無料のシステムだが、サーバー代として月額500〜1,500円程度がかかる
Studio(スタジオ)とは
- 日本で開発されたノーコード(プログラミング不要)のサイト制作ツール
- 直感的な操作でデザイン性の高いサイトが作れる
- **月額590円〜**のサブスクリプション制
- 日本語サポートが充実している
それぞれの長所・短所を正直に比較
WordPress の長所
💪 完全な所有権を持てる
- あなたのサイトは100%あなたのもの
- 制作会社が廃業しても、WordPressがなくなっても、サイトは残る
- データのバックアップも完全にコントロール可能
💰 長期的なコスト優位性
- レンタルサーバー代だけで運用可能(月額500〜1,500円)
- メール運用も込みで、追加費用なし
- 成長に応じて柔軟にプランアップ可能
🔧 拡張性の高さ
- 将来的にネットショップ機能、会員サイト機能なども追加可能
- 5万以上のプラグイン(拡張機能)が利用可能
- AI時代の新しい機能も、プラグインで対応
🌍 情報の豊富さ
- 世界中で使われているため、情報量が圧倒的
- 困った時に検索すれば、必ず解決方法が見つかる
WordPress の短所
😅 初期学習のハードル
- 最初の設定や操作に、ある程度の学習が必要
- 「慣れるまでは少し大変」というのが正直なところ
🎨 デザイン制約
- 美しいデザインを作るには、テーマ(テンプレート)選びが重要
- Studioほど自由自在にはデザインできない
⚙️ 保守・メンテナンス
- 定期的なアップデートが必要(といっても月1回程度)
- セキュリティ対策を自分で行う必要がある
Studio の長所
🎯 直感的な操作性
- マウス操作だけで本格的なサイトが作れる
- デザインの自由度が高く、思い通りの見た目を実現しやすい
- 「こんなサイトを作りたい」という思いを、すぐに形にできる
🇯🇵 充実した日本語サポート
- 日本の会社が運営しているため、サポートが手厚い
- マニュアルも日本語で分かりやすい
- 「困った時に日本語で相談できる」安心感
⚡ スピーディーな制作
- 慣れれば数時間〜1日でサイトが完成
- テンプレートも豊富で、業種に応じて選べる
🔒 セキュリティ・保守の自動化
- サーバー管理やセキュリティ対策はStudio側が担当
- あなたはサイト制作・更新だけに集中できる
Studio の短所
🏠 所有権の制約
- サイトのデータはStudio内にのみ存在
- 万が一Studioのサービスが終了すると、サイトデータの移行が困難
- 「借りている家」のような関係性
💸 運用コストの積み重ね
- 月額課金が永続的に続く
- メール機能を使いたい場合、別途サービス契約が必要
- 長期的には、WordPressより高額になる可能性
📧 メール運用の別途対応
- 独自ドメインでのメール(info@yourname.com など)は別途契約が必要
- Studio + Google Workspace の組み合わせで、月額2,000円程度
🔧 拡張性の限界
- Studioが提供する機能の範囲内でのみ運用可能
- 将来的な大幅な機能追加には制約がある
どんな場合にWordPress?どんな場合にStudio?
こんな方にはWordPressがおすすめ
📈 事業を長期的に育てたい
- **「一国一城の主」**として、自分の資産を築きたい
- 将来的にサイトを売却する可能性もある
- 事業の成長に応じて、サイトも進化させたい
💼 メール運用も重要な事業
- お客様とのやり取りで独自ドメインのメールを多用する
- 複数のスタッフでメールを共有したい
- 総コストを抑えたい
🤝 制作者と二人三脚で学びたい
- 「最初は大変でも、徐々に自立していきたい」
- サイト運営のスキルを身につけたい
- 困った時に相談できる制作者がいる
🔍 AI時代の発信力を重視
- ChatGPTやClaudeで生成したコンテンツを活用したい
- 将来的にヘッドレスCMSなどの新技術も検討したい
- 長期的な情報発信戦略を持っている
こんな方にはStudioがおすすめ
🎨 デザインへのこだわりが強い
- 見た目の美しさを最優先したい
- 「こんな感じのサイトを作りたい」というイメージが明確
- デザイン作業を楽しみたい
⏰ とにかく早く始めたい
- 来月にはサイトを公開したい
- 学習時間をかけずに、すぐに成果を出したい
- 「まずは始めてみる」ことを重視
🆘 安心できるサポートが欲しい
- 技術的なトラブルは、専門家にお任せしたい
- 日本語での手厚いサポートを受けたい
- 「何かあったら相談できる」安心感が欲しい
📱 シンプルな情報発信が中心
- 会社案内、サービス紹介がメイン
- ブログ更新は月数回程度
- 複雑な機能は必要ない
実際のコスト比較(年間)
WordPress の場合
レンタルサーバー代:月額1,000円 × 12ヶ月 = 12,000円
独自ドメイン代:年額1,500円
WordPressテーマ代:15,000円(買い切り)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
初年度合計:28,500円
2年目以降:13,500円/年
Studio の場合
Studio Personal:月額1,280円 × 12ヶ月 = 15,360円
独自ドメイン代:年額1,500円(Studio経由)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
年間合計:16,860円
※メール機能が必要な場合
Google Workspace:月額880円 × 12ヶ月 = 10,560円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メール込み年間合計:27,420円
ポイント:
- 初年度はほぼ同程度
- 2年目以降はWordPressの方がコスト安
- メール運用が必要なら、差額はさらに広がる
移行・将来性について
30年後も残っているのは?
正直にお答えします。WordPressが残っている可能性が高いです。
理由はオープンソース(特定企業に依存しない)だから。世界中の技術者が支えているシステムは、一企業の都合で消えることがありません。
一方、Studioのような企業サービスは、どんなに優秀でも事業判断によって終了する可能性があります。(もちろん、今すぐなくなるという意味ではありません)
サイトの引っ越しはできる?
- WordPress:いつでも他のサーバーに移行可能
- Studio:現状では他のシステムへの移行は困難
これは重要な違いです。WordPressなら「気に入らなくなったら引っ越す」ことができますが、Studioでは基本的にStudio内でしか運用できません。
判断のための3つの質問
あなたに最適な選択をするために、この3つの質問に答えてみてください。
1. このサイトは何年運用する予定ですか?
- 3年以上:WordPress がおすすめ
- 1〜2年、まずは試したい:Studio でもOK
2. メール機能(info@yourname.com)は重要ですか?
- お客様との重要な連絡手段:WordPress がおすすめ
- それほど重要ではない:Studio でもOK
3. 制作・運用の学習に時間をかけられますか?
- スキルアップも含めて取り組みたい:WordPress がおすすめ
- 学習時間は最小限にしたい:Studio がおすすめ
AI時代を見据えた選択として
最近、私はAI時代のサイト制作について深く考える機会がありました。ChatGPTやClaudeでコンテンツを生成し、それをサイトに活用する機会が確実に増えてきています。
この観点では、WordPressの方が将来性が高いと感じています。
理由は:
- AI生成コンテンツの活用が柔軟にできる
- 新しいプラグインで、AI関連機能が続々追加されている
- ヘッドレスCMSとの連携も可能(複数のプラットフォームに同じコンテンツを配信)
Studioも素晴らしいツールですが、「Studio内でできること」の範囲内での運用になります。
私たちmoribitoの推奨スタンス
率直にお伝えすると、私たちはWordPress推奨です。
理由は、これまでお伝えした通り:
- 長期的な資産価値
- 運用コストの優位性
- 真の所有権
- AI時代への対応力
ただし、これは「Studioがダメ」という意味ではありません。あなたの状況や価値観によって、Studioがベストな選択肢になることも十分あります。
重要なのは、それぞれの特徴を理解した上で選択することです。
まとめ:あなたにとっての最適解は?
WordPress を選ぶべき方
- 事業の長期的成長を見据えている
- 「自分の城」として資産を築きたい
- メール運用も重要な要素
- 多少の学習時間は投資と考えられる
- AI時代の発信力強化に関心がある
Studio を選ぶべき方
- デザインの美しさを最優先したい
- すぐにサイトを公開したい
- 技術的なことは専門家に任せたい
- シンプルな情報発信が中心
- 日本語サポートの充実を重視
どちらを選んでも、**「がんばっているあなたの価値」**をしっかりと伝えることは可能です。
大切なのは、あなたが継続して更新・運用できるシステムを選ぶこと。そして、あなたらしさが伝わる、温かみのあるサイトを育てていくことです。
よくある質問
Q. WordPressは難しいと聞きますが、本当に大丈夫ですか?
A. 確かに最初は慣れが必要です。でも「Word」や「Excel」を覚えた時のことを思い出してください。最初は戸惑ったけれど、今では普通に使えていますよね。WordPressも同じです。基本操作を覚えてしまえば、むしろブログを書く感覚で更新できるようになります。
Q. Studioでも十分なサイトは作れますか?
A. はい、十分に魅力的なサイトが作れます。特にデザイン性は非常に高く、「こんなサイトが作りたかった」という理想を実現しやすいツールです。ただし、長期的な拡張性や所有権の面で制約があることは理解しておいてください。
Q. 途中でWordPressからStudio、またはその逆に変更できますか?
A. WordPressからStudioへの変更は比較的簡単ですが、StudioからWordPressへの移行は手間がかかります。コンテンツは移せますが、デザインは一から作り直しになることが多いです。最初の選択が重要な理由の一つです。
Q. 制作会社に頼らず、本当に自分で運用できますか?
A. どちらのシステムでも、基本的な更新作業は可能です。ただし、「自立できるようになるまでのサポート」があるかどうかが重要です。私たちmoribitoでは、お客様が自立して運用できるようになるまで、しっかりとお手伝いいたします。
Q. 結局、どちらがおすすめですか?
A. あなたの状況によります。ただし、「迷った時はWordPress」というのが私たちの考えです。理由は、将来の選択肢を狭めないから。WordPressで始めて、後で必要に応じて他のシステムに移行することは比較的容易です。
最後に:一人で悩まず、相談してください
サイト制作は、あなたの事業にとって重要な投資です。「WordPress」か「Studio」かという選択も、あなたの状況や将来の目標によって答えが変わります。
私たちは、あなたがどちらを選んでも成功できるようサポートいたします。まずは30分の無料相談で、あなたの状況をお聞かせください。
あなたのがんばりが、もっと多くの人に伝わるように。そのお手伝いをさせていただければと思います。