要点
Web広告は、GoogleとFacebook/Instagramの2大プラットフォームから始めるのが基本です。Google広告は「今すぐ客」に、Facebook/Instagram広告は「潜在客」にアプローチできます。「AIに聞く」時代になり、どんなに良いサイトを作っても見つけてもらえない今、広告の重要性はますます高まっています。
集客がむずかしい時代の切り札
「ホームページを作ったのに誰も来ない」「SNSで毎日発信しているのに反応がない」。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は今、Web集客を取り巻く環境が大きく変わっています。Google検索も「AIに聞く」時代に入り、せっかく作ったサイトが検索結果に表示されにくくなってきました。検索窓に質問を入れると、AIが答えを生成してくれるため、わざわざサイトを訪問する人が減っているのです。
つまり、どんなに良いホームページを作っても、どんなに一生懸命SEO対策をしても、お客様に「見つけてもらう」ことが難しくなっているのが現実です。
だからこそ、Web広告を上手に使って「確実に見てもらう」ことが、これまで以上に重要になっています。
でも、「広告費が心配」「設定が難しそう」「効果が出るか不安」という声もよく聞きます。さらに、Web広告の代行を専門会社に頼むと、びっくりするほど高額になってしまうことも少なくありません。
この記事では、中小企業や個人事業主の方が、制作会社任せにならず、少額予算でもWeb広告を始められるよう、実践的なノウハウをお伝えします。
Web広告って何?なぜ今、重要なの?
従来の広告との決定的な違い
まず、Web広告と従来のチラシや雑誌広告の違いを理解しましょう。
チラシを1000枚配っても、実際に何人が見たのか、何人が興味を持ったのかは分かりません。雑誌に広告を出しても、その広告を見て問い合わせた人が何人いたのか、正確には測定できません。
でもWeb広告なら、すべてが数字でわかります。
- 何人があなたの広告を見たか
- そのうち何人がクリックしたか
- クリックした人のうち何人が問い合わせたか
- 1件の問い合わせを獲得するのにいくらかかったか
これらがすべて、リアルタイムで確認できるのです。
さらに、Web広告にはこんな特徴があります。
予算を自分でコントロールできる:「今月は3万円まで」と決めたら、その金額を超えることはありません。チラシだと、印刷した時点で費用が確定してしまいますが、Web広告なら途中で止めることも、増やすこともできます。
すぐに始められて、すぐにやめられる:チラシは印刷に時間がかかり、配布するのにも日数が必要です。でもWeb広告なら、設定すれば数時間後には配信が始まります。効果がなければ、その日のうちに止めることも可能です。
ターゲットを細かく絞れる:30代の女性にだけ、渋谷区在住の人にだけ、料理に興味がある人にだけ、といった具合に、広告を届けたい人を細かく設定できます。チラシのように「とりあえず全戸に配る」必要はありません。
「AIに聞く」時代だからこそ、広告が頼りになる
ここ数年で、Google検索の使われ方が大きく変わってきました。
以前なら、「渋谷 イタリアン おすすめ」と検索すると、検索結果にいくつものサイトが表示され、その中からユーザーが選んでクリックしていました。だから、SEO対策をして検索結果の上位に表示されることが重要だったのです。
でも今は、検索窓に質問を入れると、AIが答えを生成して表示してくれます。「渋谷でおすすめのイタリアンは○○です。その理由は…」とAIが答えてくれるので、ユーザーはわざわざサイトを訪問しなくなっています。
つまり、どんなに良いホームページを作っても、どんなに頑張ってSEO対策をしても、お客様に「見てもらえない」可能性が高くなっているのです。
だからこそ、Web広告の重要性が高まっています。広告なら、検索結果の一番上に確実に表示されます。AIが生成した回答より上に表示されることもあります。つまり、「見てもらえる」ことが保証されているのです。
これが、今Web広告が見直されている大きな理由です。
Web広告の3つの魅力
改めて、Web広告の魅力をまとめておきましょう。
①ターゲットを絞り込める
例えば、あなたが渋谷でヨガ教室を経営しているとします。従来の広告なら、渋谷区全域にチラシを配るしかありませんでした。でもWeb広告なら、「30代女性」「渋谷区在住」「健康・フィットネスに興味がある」という条件で絞り込んで、その人たちにだけ広告を表示できます。
無駄打ちが減り、興味を持ってくれる可能性が高い人にだけアプローチできるのです。
②効果が数字でわかる
「広告を100人が見て、そのうち5人がクリック、1人が問い合わせ」という具合に、すべてが数字で見えます。だから、「この広告は効果がある」「この広告は効果がない」が明確に判断できます。
効果のない広告はすぐに止めて、効果のある広告に予算を集中する。こうした改善を繰り返すことで、どんどん費用対効果が良くなっていきます。
③少額から始められる
「広告」と聞くと、何百万円もかかるイメージがあるかもしれません。でもWeb広告なら、月3万円程度から始められます。予算に応じて、無理なく運用できるのです。
Google広告とFacebook/Instagram広告、何が違う?
Web広告の世界では、GoogleとFacebook/Instagram(Meta)の2つが圧倒的なシェアを持っています。まずはこの2つを理解することから始めましょう。
Google広告の特徴:「探している人」に届ける
Google広告の最大の特徴は、「今まさに探している人」にアプローチできることです。
例えば、あなたが税理士事務所を経営しているとします。Googleで「渋谷 税理士 確定申告」と検索する人は、今まさに税理士を探している人です。つまり「今すぐ客」です。
Google広告(検索広告)なら、こうした「今すぐ客」の検索結果の一番上に、あなたの広告を表示できます。興味がある人、困っている人に、ピンポイントでアプローチできるのです。
Google広告の基本は「検索広告」
検索広告とは、Googleの検索結果に表示される広告のことです。検索結果の上部に「スポンサー」と小さく表示されているのが検索広告です。
仕組みはこうです。
- あなたが「こんなキーワードで検索した人に広告を表示したい」と設定する
- ユーザーがそのキーワードで検索する
- 検索結果の上位にあなたの広告が表示される
- ユーザーがクリックすると、あなたのサイトに飛ぶ
- クリックされた分だけ、料金が発生する
つまり、クリックされない限り、料金はかかりません。表示されるだけなら無料です。
リマーケティング広告もおすすめ
Google広告には、検索広告以外にも効果的な手法があります。それが「リマーケティング広告」です。
リマーケティングとは、一度あなたのサイトを訪れた人に、再度広告を表示する仕組みです。
例えば、こんな経験はありませんか?ある通販サイトで靴を見ていたら、その後、他のサイトを見ているときに、その靴の広告がずっと表示される。あれがリマーケティング広告です。
なぜリマーケティングが効果的かというと、一度サイトを訪れたということは、少なくとも興味は持ってくれたということです。でも、その場では買わなかった、問い合わせしなかった。理由は様々です。「今は時間がない」「もう少し考えたい」「他と比較したい」など。
そういう人に、もう一度あなたのサービスを思い出してもらう。それがリマーケティングの目的です。
リマーケティングの良いところは、検索広告より低コストで運用できることです。すでにあなたのサイトを知っている人なので、成約率も高い傾向があります。
Facebook/Instagram広告の特徴:「まだ知らない人」に届ける
一方、Facebook/Instagram広告は、「まだ探していないけど、興味を持ってくれそうな人」にアプローチできるのが特徴です。
例えば、あなたがオーガニック化粧品を販売しているとします。Facebookなら、「30代女性」「美容・健康に興味がある」「オーガニック食品を買ったことがある」といった条件で絞り込んで、その人たちのタイムラインに広告を表示できます。
その人たちは、今すぐオーガニック化粧品を探しているわけではありません。でも、興味を持ってくれる可能性は高い。そういう「潜在客」に、魅力的なビジュアルで「こんな商品がありますよ」と伝えられるのです。
ビジュアルで魅力を伝えられる
Facebook/Instagram広告の強みは、写真や動画を使って、商品の魅力を視覚的に伝えられることです。
料理教室なら、美味しそうな料理の写真。ハンドメイドアクセサリーなら、実際に身につけている写真。こうしたビジュアルで「素敵だな」「欲しいな」と思ってもらうのです。
検索広告は基本的にテキスト(文字)だけですが、Facebook/Instagram広告はビジュアルが主役。だから、見た目で魅力を伝えられる商品・サービスとの相性が抜群です。
どっちを選べばいい?
「GoogleとFacebook/Instagram、どっちを使えばいいですか?」という質問をよく受けます。答えは「あなたのビジネスによる」です。
Google広告(検索広告)が向いているのは:
- BtoBのサービス(企業向けコンサルティング、システム開発など)
- 専門性の高いサービス(税理士、弁護士、医療機関など)
- 緊急性の高いサービス(水漏れ修理、鍵開けなど)
- 「○○ 地名」で検索されやすいサービス(美容院、飲食店など)
つまり、お客様が「困って探している」「必要性を感じて探している」サービスです。
Facebook/Instagram広告が向いているのは:
- BtoCの商品(化粧品、食品、雑貨など)
- ビジュアルで魅力を伝えられる商品・サービス
- 「欲しい」と思ってもらえるもの(必需品ではなく、あったら嬉しいもの)
- ライフスタイル提案型のサービス(ヨガ、習い事など)
つまり、「今すぐ必要ではないけど、知ったら興味を持ってもらえそうなもの」です。
リマーケティングが向いているのは:
- すでにサイトに訪問者がいる(月に数百人以上)
- 検討期間が長い商品・サービス(高額商品、BtoBなど)
- 一度見ただけでは決断しにくいもの
サイトへの訪問者が少ない初期段階では効果が出にくいので、まずは検索広告やFacebook/Instagram広告で認知を広げてから、リマーケティングを追加するのが王道です。
理想を言えば、予算があるなら、Google検索広告、リマーケティング、Facebook/Instagram広告を組み合わせることです。でも予算が限られているなら、まずはあなたのビジネスに合った方から始めましょう。
実際いくらかかるの?予算の目安
「広告に興味はあるけど、いくらかかるのか不安」。これは当然の心配です。具体的な金額をお伝えしましょう。もちろん、ご事情に合わせてもう少し低予算を探る方法もあります。
おおまかな目安
Google広告(検索広告):月3万円〜
検索広告は、クリック単価が業種によって大きく異なります。競合が多いキーワードほど、クリック単価が高くなります。
例えば:
- 「税理士 渋谷」:1クリック500円〜1000円程度
- 「美容院 渋谷」:1クリック100円〜300円程度
- 「リフォーム 東京」:1クリック800円〜1500円程度
月3万円の予算なら、クリック単価が300円として、月に100クリック獲得できます。そのうち5%が問い合わせしてくれるとすると、月5件の問い合わせです。
Facebook/Instagram広告:月2万円〜
Facebook/Instagram広告は、Google検索広告よりクリック単価が安い傾向があります。1クリック50円〜200円程度が相場です。
月2万円の予算なら、クリック単価が100円として、月に200クリック獲得できます。成約率が3%なら、月6件の問い合わせです。
リマーケティング:月1〜2万円〜
リマーケティングは、すでにあなたのサイトを知っている人が対象なので、新規の検索広告より低コストで運用できます。ただし、サイトへの訪問者数が少ないと効果が出にくいので、ある程度アクセスが集まってから始めるのがおすすめです。
合計で月5万円が理想的なスタートライン
理想を言えば、Google検索広告3万円、Facebook/Instagram広告2万円の合計5万円が、効果を実感できるスタートラインです。
「5万円も!」と思われるかもしれません。でも、これで月に10件の問い合わせが来て、そのうち3件が成約すれば、1件あたりの獲得コストは約1万7千円です。あなたのサービスの単価が5万円なら、十分に採算が合います。
なぜこの金額なのか?
「もっと少ない予算ではダメですか?」という質問もあるでしょう。不可能ではありませんが、この金額が目安になるのには理由があります。
実は、Web広告には「データを集める」という大事なプロセスがあります。どの広告が効果的か、どのターゲット設定が良いか、どの時間帯にクリックされやすいか。こうしたデータを集めて、改善していくことで、だんだん効果が上がっていくのです。
でも、予算が少なすぎると、データが集まらず、改善のしようがありません。月1万円だと、クリック数が少なすぎて「この広告は良い」「この広告は悪い」という判断がしづらい場合があるのです。
もちろん、やり方次第でもっと少額でも成果は出せます。後ほど、少額予算での賢い運用法をお伝えします。
費用の仕組み
Web広告の料金体系には、主に2つのパターンがあります。
クリック課金(CPC:Cost Per Click)
広告がクリックされた時だけ料金が発生する仕組みです。Google検索広告やFacebook/Instagram広告の基本です。
例えば、1クリック100円に設定した場合、広告が1000回表示されても、クリックが10回なら、料金は1000円です。つまり、表示されるだけなら無料。実際に興味を持ってクリックしてくれた人の分だけ、料金を払います。
表示課金(CPM:Cost Per Mille)
広告が1000回表示されるごとに料金が発生する仕組みです。主にブランド認知を目的とした広告で使われます。
例えば、CPM 500円に設定した場合、広告が1000回表示されるごとに500円かかります。クリックされてもされなくても、表示された分だけ料金が発生します。
中小企業や個人事業主の場合、「クリック課金」から始めるのが基本です。興味を持ってくれた人の分だけ料金を払う方が、無駄が少ないからです。
業界によって相場が違う
ここで注意してほしいのが、業界によってクリック単価の相場が大きく異なることです。
例えば:
- 競合が多い業界(不動産、金融、法律など):クリック単価が高い(500円〜2000円)
- 地域密着型ビジネス(美容院、飲食店など):クリック単価が安い(50円〜300円)
- ニッチな専門サービス:競合が少なければ安い(100円〜500円)
あなたの業界の相場は、実際に広告を設定してみないと正確にはわかりません。でも、Googleの「キーワードプランナー」という無料ツールで、ある程度の目安は調べられます。
【注意】広告代行会社に頼むと、びっくりするほど高くなる
ここで、多くの方が陥る落とし穴をお伝えします。それは「Web広告の代行会社に丸投げする」ことです。
代行会社に頼むと、こんな費用がかかります:
運用代行費:広告費の20〜30%が相場
例えば、広告費3万円で運用を依頼すると、代行費が6千円〜9千円かかります。つまり、実際には約4万円の支出です。広告費5万円なら、代行費1〜1.5万円で、合計6〜6.5万円です。
月額固定費:3〜5万円が相場
さらに、「運用代行費とは別に、月額固定費5万円」という会社も少なくありません。広告費3万円で運用を依頼すると、代行費と固定費で、合計8万円以上かかることになります。
初期設定費:5〜10万円
加えて、「初期設定費用として10万円」といった費用がかかることもあります。
つまり、広告費3万円で始めようと思っても、実際には初月20万円近くかかってしまうケースがあるのです。
そもそも代行会社によっては最低ラインの広告実費を月額数十万円としているところも多いです。そのために代行費はかなりの高額になります。
もちろん、プロに任せれば効果は出やすいでしょう。でも、この金額を毎月払い続けられるでしょうか?予算が潤沢な企業ならともかく、中小企業や個人事業主には現実的ではありません。
それより、詳しい人に聞きながら自分でやる方が現実的
私がおすすめするのは、「Web広告に詳しい人に相談しながら、自分で運用する」方法です。
最初の設定だけサポートしてもらって、基本的な運用方法を教えてもらう。困った時だけピンポイントで相談する。こうすれば、高額な代行費を払い続ける必要はありません。
そして何より、自分で運用すれば、ノウハウが社内に蓄積されます。代行会社に丸投げすると、代行会社がいなくなったら何もできなくなってしまいます。
moribito worksでは、こうした「自分でできるようになる」サポートを大切にしています。依存関係を作らず、あなたが自立できることを目指します。
AIに任せっぱなしは危険!少額予算での賢い運用法
最近のWeb広告は、AI(人工知能)が自動的に最適化してくれる機能が充実しています。Googleの「スマート自動入札」や、Facebookの「自動最適化」など、便利な機能が次々と登場しています。
でも、少額予算で始める場合、最初からAIに任せっぱなしにするのは危険です。
Google広告の「スマート自動入札」の落とし穴
Google広告には、AIが自動的にクリック単価を調整してくれる「スマート自動入札」という機能があります。
例えば、「コンバージョン(問い合わせや購入)を最大化する」という目標を設定すると、AIが自動的に「このキーワードは成約しやすいから高めに入札する」「このキーワードは成約しにくいから低めに入札する」と調整してくれます。
一見便利そうですが、問題があります。
AIの学習には大量のデータが必要
AIが賢く判断するには、十分なデータが必要です。具体的には、過去30日間で少なくとも30件以上のコンバージョン(問い合わせなど)が必要と言われています。
でも、月3万円の予算で、月に30件もコンバージョンが発生するでしょうか?多くの場合、月に5〜10件程度です。データが少なすぎて、AIが正しく学習できないのです。
学習のための無駄打ちが多い
データが少ない状態でAIに任せると、AIは「学習」のためにいろいろ試します。高いキーワードに入札してみたり、効果が出ないターゲットに広告を表示してみたり。
その結果、「気づいたら予算の半分が、効果の出ない広告に使われていた」ということが起こります。予算が潤沢ならいいですが、月3万円の少額予算では、こうした無駄打ちは致命的です。
予算オーバーのリスク
さらに、自動入札は「効果が出そう」と判断すると、どんどん入札単価を上げていきます。予算上限は設定されていますが、日によって配信ペースが異なり、「今月は予算オーバーしそう」と気づいたときには手遅れ、ということもあります。
少額予算なら「上限クリック単価制」から始める
では、少額予算の場合、どうすればいいのでしょうか。答えは「上限クリック単価制」です。
上限クリック単価制とは、1クリックあたりの上限金額を自分で設定する方法です。
例えば、「1クリック最大200円まで」と設定すれば、どんなに競合が激しいキーワードでも、200円以上は支払いません。200円より高い入札が必要なキーワードは、そもそも広告が表示されなくなります。
予算を確実にコントロールできる
上限クリック単価を設定すれば、「今月の予算は3万円だから、1クリック200円で、150クリックまで」と計算できます。予算オーバーの心配がありません。
無駄打ちを防げる
AIに任せると、効果が出るかわからないキーワードにも広告を表示して「試して」みます。でも、上限クリック単価制なら、あなたが選んだキーワードにだけ広告を表示します。無駄打ちが減ります。
データを自分で管理できる
AIに任せると、「なぜこのキーワードに多くの予算が使われたのか」がブラックボックスになりがちです。でも、手動で運用すれば、「このキーワードは効果があった」「このキーワードは効果がなかった」が明確にわかります。
このデータは、次の改善に活かせます。そして、ある程度データが溜まってから、AIに移行すればいいのです。
成約データが溜まってからAIに任せる作戦
「じゃあ、AIは使わない方がいいの?」というと、そうではありません。AIは正しく使えば非常に強力です。
おすすめの戦略は、こうです。
ステップ1:最初は手動で運用(上限クリック単価制)
まずは、上限クリック単価制で、自分で設定したキーワード、ターゲットで広告を配信します。そして、コンバージョン(問い合わせなど)のデータを蓄積します。
ステップ2:データを分析して改善
1〜2ヶ月運用すると、「このキーワードは問い合わせにつながった」「このキーワードはクリックされたけど問い合わせはなかった」というデータが溜まります。
効果のないキーワードを停止し、効果のあるキーワードに予算を集中します。
ステップ3:10〜20件のコンバージョンが溜まったらAIに移行
コンバージョンが10〜20件溜まったら、AIに移行します。このデータがあれば、AIも「どんなユーザーが成約しやすいか」を学習できます。
この順序なら、AIも効率的に学習でき、無駄打ちを最小限に抑えられます。
実践者からのアドバイス
ここで少し、私自身の経験をお話しします。
私は、クライアント向けの広告代行だけでなく、個人でもWeb広告を活用したアフィリエイト(PPCアフィリエイト)を手がけています。つまり、自分のお金を使って、日々広告を運用しているのです。
だからこそ、「どうすれば少額予算で効率よく集客できるか」を常に考え、実践しています。理論だけでなく、現場で使える方法を、身をもって体験しているのです。
そして、少額予算の場合、AIに最初から任せるのは本当にリスクが高いと実感しています。最初は手動でコツコツ運用し、データを溜めてからAIに移行する。この順序が、失敗を最小限に抑える鉄則です。
始める前に絶対確認すべき3つのこと
さて、「よし、Web広告を始めよう!」と思っても、その前に確認すべきことがあります。ここを飛ばして広告を始めると、お金を無駄にしてしまいます。
① ランディングページ(LP)は準備できていますか?
ランディングページ(LP)とは何か
ランディングページとは、広告をクリックした人が最初に到着するページのことです。Landing(着地)するページだから、ランディングページです。
多くの方が、「広告をクリックしたら、ホームページのトップページに飛ばせばいい」と思っています。でも、これは大きな間違いです。
なぜトップページではダメなのか
ホームページのトップページは、いろいろな情報が載っています。会社概要、サービス一覧、お知らせ、採用情報など。訪問者は「結局、何をすればいいの?」と迷ってしまいます。
でも、広告をクリックした人は、明確な目的を持っています。「税理士を探している」「ヨガ教室を探している」「化粧品を買いたい」など。
だから、その目的に特化したページを用意する必要があります。それがランディングページです。
良いランディングページの条件
良いランディングページには、こんな特徴があります:
- 1つの目的に特化:「問い合わせ」なら問い合わせ、「購入」なら購入、目的を1つに絞る
- 余計な情報がない:会社概要や他のサービスへのリンクは最小限に
- 行動を促す:「今すぐ問い合わせ」「無料相談はこちら」など、明確な行動を促すボタンがある
- 訪問者の悩みに応える:「こんな悩みありませんか?」から始まり、「私たちが解決します」と続く流れ
ランディングページがないまま広告を始めると、せっかくクリックしてもらっても、訪問者は「どうすればいいかわからない」と離脱してしまいます。
広告費をかけて集客しても、受け皿(ランディングページ)がなければ、ザルで水をすくうようなものです。
② 誰に何を売りたいか明確ですか?
Web広告の設定で、最も重要なのが「ターゲット設定」です。
「30代女性」では広すぎる
よくある失敗が、ターゲットを広く設定しすぎることです。
例えば、「30代女性、東京都在住」という設定。これでは広すぎます。東京都の30代女性は何十万人もいます。その全員があなたのサービスに興味を持つでしょうか?
独身の30代女性と、子育て中の30代女性では、興味も悩みも全く違います。渋谷でOLをしている30代女性と、郊外で主婦をしている30代女性も、ライフスタイルが違います。
ターゲットが広すぎると、広告を表示する人数は増えますが、実際に興味を持ってくれる人の割合(コンバージョン率)は下がります。つまり、無駄打ちが増えるのです。
ペルソナ設定の重要性
おすすめは、「ペルソナ」を設定することです。ペルソナとは、架空の具体的な顧客像のことです。
例えば:
「田中さん、35歳、女性。渋谷の広告代理店で働くOL。独身。年収500万円。仕事が忙しく、運動不足を感じている。最近、肩こりと腰痛がひどく、ヨガに興味を持ち始めた。でも、仕事帰りに通える場所がいい。初心者でもついていけるか不安。」
ここまで具体的にイメージすると、どんな広告文を書けばいいか、どんなキーワードで出稿すべきか、どんなランディングページを作ればいいかが見えてきます。
「30代女性」ではなく、「田中さん」に向けて広告を作る。これが成功の秘訣です。
③ 効果測定の準備はできていますか?
Web広告の最大の魅力は、効果が数字で見えることです。でも、それは「測定する仕組み」があってこそです。
Google Analyticsの設定は必須
Google Analytics(グーグルアナリティクス)は、無料で使えるアクセス解析ツールです。これを設定しないと、広告経由で何人がサイトを訪れたか、何ページ見たか、何分滞在したか、といったデータが取れません。
Google Analyticsの設定は、Web制作会社に頼めば数万円かかることもありますが、自分でも設定できます。Googleで「Google Analytics 設定方法」と検索すれば、詳しい手順が見つかります。
コンバージョン測定の設定
さらに重要なのが、「コンバージョン測定」の設定です。
コンバージョンとは、「広告の目的が達成されたこと」を指します。問い合わせフォームの送信、商品の購入、資料のダウンロードなど、あなたが設定した目標のことです。
コンバージョン測定を設定すると、「この広告経由で5件の問い合わせがあった」「この広告は効果がなかった」といったことが明確にわかります。
これがないと、「広告にお金を使っているけど、効果があるのかないのかわからない」という状態になってしまいます。
電話番号トラッキング
もう1つ、見落としがちなのが「電話問い合わせ」の測定です。
Webサイトから問い合わせフォームで連絡してくる人だけでなく、サイトに載っている電話番号を見て、直接電話してくる人もいます。
この電話問い合わせも、広告の成果です。でも、普通の電話番号だと、「どの広告を見て電話してきたか」がわかりません。
そこで、広告ごとに異なる電話番号を用意する「電話番号トラッキング」というサービスがあります。少し費用はかかりますが、電話問い合わせが多いビジネス(飲食店、美容院、サービス業など)では検討する価値があります。
失敗しないための5つの鉄則
ここまで読んで、「Web広告、やってみようかな」と思った方へ。最後に、失敗を避けるための5つの鉄則をお伝えします。
① いきなり大きな予算を使わない
「早く結果を出したい」と焦って、いきなり月10万円、20万円の予算を使うのは危険です。
最初の1〜2ヶ月は、「テスト期間」と考えましょう。少額の予算で、どんなキーワードが効果的か、どんなターゲット設定が良いか、どんな広告文がクリックされやすいか、データを集める期間です。
このテスト期間で効果的な方法が見つかってから、予算を増やせばいいのです。
逆に、いきなり大きな予算を使って失敗すると、「Web広告は効果がない」とトラウマになり、二度と挑戦しなくなってしまいます。
まずは月3万円程度から始めて、効果を確認しながら、徐々に増やしていきましょう。
② 少額予算なら「手動運用」から始める
先ほどもお伝えしましたが、少額予算の場合、最初からAIの自動入札に任せるのは危険です。
まずは「上限クリック単価制」で、手動で運用しましょう。どのキーワードに、いくらで入札するか、自分で決めます。
「面倒くさい」と思うかもしれません。でも、この手動運用の期間に、Web広告の仕組みが理解できます。どんなキーワードが効果的か、どんなターゲット設定が良いか、肌感覚でわかるようになります。
このノウハウは、一生使えます。AIに任せっぱなしでは、何も学べません。
そして、10〜20件のコンバージョンが溜まったら、AIの自動入札に切り替えればいいのです。
③ 最初の1ヶ月は「学習期間」と割り切る
Web広告を始めて、「1週間経ったけど、まだ問い合わせが来ない。失敗かな?」と不安になる方がいます。
でも、焦らないでください。最初の1ヶ月は「学習期間」です。
広告を配信してみないと、どのキーワードが効果的か、どのターゲット設定が良いか、わかりません。だから、最初の1ヶ月はデータを集める期間と割り切りましょう。
そして、集まったデータを見て、「このキーワードは効果があった。もっと予算を増やそう」「このキーワードは効果がなかった。停止しよう」と改善していきます。
2ヶ月目、3ヶ月目と、だんだん効果が上がっていきます。
「最初の1ヶ月で結果を出さなきゃ」と焦ると、判断を誤ります。じっくり腰を据えて取り組みましょう。
④ 定期的に数字を確認する
Web広告は、「設定したら放置」ではいけません。定期的に数字を確認し、改善していくことが大切です。
最低でも週1回はチェック
理想は毎日チェックですが、忙しい方でも、最低週1回はチェックしましょう。
見るべき数字は、主にこの3つです:
①インプレッション数(表示回数)
広告が何回表示されたか。これが少ないと、そもそもキーワードやターゲット設定が狭すぎる可能性があります。
②クリック率(CTR)
表示されたうち、何%がクリックされたか。一般的に、検索広告なら2〜5%が目安です。クリック率が低い場合、広告文が魅力的でない、または、ターゲット設定がズレている可能性があります。
③コンバージョン率(CVR)
クリックした人のうち、何%が問い合わせや購入に至ったか。一般的に、3〜5%が目安です。コンバージョン率が低い場合、ランディングページに問題がある可能性が高いです。
これらの数字を見ながら、「どこに問題があるか」を特定し、改善していきます。
⑤ 高額な代行会社より、詳しい人に相談を
何度もお伝えしていますが、Web広告を代行会社に丸投げすると、広告費以外に高額な代行費がかかります。
それより、Web広告に詳しい人に、必要な時だけ相談する方が現実的です。
例えば:
- 最初の設定だけサポートしてもらう(2〜3万円)
- 月1回、運用状況をチェックしてもらう(1〜2万円)
- 困った時だけピンポイントで相談する(1回5千円〜1万円)
こうすれば、毎月の固定費を抑えながら、プロのアドバイスも受けられます。
そして何より、自分で運用すれば、ノウハウが社内に蓄積されます。「代行会社がいなくなったら何もできない」という状態にはなりません。
moribito worksでは、こうした「自分でできるようになる」ための支援を大切にしています。依存関係を作らず、あなたの自立を目指します。
こんな時どうする?よくあるトラブルと対処法
Web広告を運用していると、必ず壁にぶつかります。「思ったように効果が出ない」「何が悪いのかわからない」。そんな時のために、よくあるトラブルと対処法をお伝えします。
広告費だけかかって問い合わせが来ない
症状:クリックはされているのに、問い合わせや購入に至らない。
原因と対処法:
①ランディングページ(LP)に問題がある
最も多い原因がこれです。広告をクリックして訪れたページが、訪問者の期待と違っていたり、わかりにくかったり、魅力的でなかったりすると、すぐに離脱されてしまいます。
対処法:
- 広告の内容とLPの内容が一致しているか確認
- 「問い合わせボタン」「購入ボタン」が目立つ場所にあるか確認
- ページの読み込みが遅くないか確認(3秒以上かかると離脱率が上がる)
- スマホで見たときに見やすいか確認(今はスマホからのアクセスが大半)
②ターゲット設定がズレている
広告を表示する相手が、あなたのサービスに興味がない人だった可能性があります。
対処法:
- ターゲット設定を見直す(年齢、地域、興味関心など)
- キーワードを見直す(Google広告の場合)
- 「除外キーワード」を設定する(興味のない人を除外する)
③キーワードの問題(Google広告の場合)
選んだキーワードが、実際にお客様になってくれる人が検索するキーワードではなかった可能性があります。
例えば、税理士事務所なのに、「税理士試験」というキーワードで広告を出していたら、訪問者は税理士になりたい人で、税理士を探している人ではありません。
対処法:
- コンバージョンにつながったキーワードを確認し、そのキーワードに予算を集中
- コンバージョンにつながらないキーワードを停止
- 「検索語句レポート」を見て、実際にどんな検索語句で広告が表示されたか確認
クリックされるけど、すぐ離脱される
症状:クリックはされるけど、すぐにページを離れてしまう(直帰率が高い)。
原因と対処法:
①広告とLPの内容が一致していない
広告で「初回無料」と書いているのに、LPには料金表しか載っていない。広告で「渋谷の税理士」と書いているのに、LPには住所が載っていない。こうしたズレがあると、訪問者は「騙された」と感じて離脱します。
対処法:
- 広告の内容とLPの内容を完全に一致させる
- 広告で強調したことを、LPでも最初に目立つように表示
②ページの読み込みが遅い
ページを開くのに5秒も10秒もかかったら、ほとんどの人は待たずに離脱します。特にスマホでは、読み込みの遅さは致命的です。
対処法:
- 画像のファイルサイズを小さくする(圧縮する)
- 不要なプログラムやプラグインを削除
- サーバーの性能を見直す(安すぎるレンタルサーバーは遅いことも)
③スマホ対応ができていない
今は、Webサイトへのアクセスの7〜8割がスマホからです。スマホで見たときに、文字が小さすぎて読めない、ボタンが押しにくい、といった問題があると、すぐに離脱されます。
対処法:
- 自分のスマホで実際に見てみる
- 文字サイズを大きくする
- ボタンを大きく、押しやすくする
- 横スクロールが必要なデザインは避ける
どんどん広告費が上がっていく
症状:最初は予算内だったのに、日を追うごとに広告費が増えていく。
原因と対処法:
①自動入札の設定に問題がある
AIの自動入札を使っている場合、AIが「効果が出そう」と判断すると、どんどん入札単価を上げていきます。予算上限は設定されていても、日によって配分が偏り、「今月は予算オーバーしそう」という状態になることがあります。
対処法:
- 自動入札を停止し、上限クリック単価制に戻す
- 1日あたりの予算上限を厳格に設定し直す
- 予算を使い切りそうな日は、手動で広告を一時停止
②競合が増えて、クリック単価が上がった
あなたと同じキーワードで広告を出す競合が増えると、入札競争が激しくなり、クリック単価が上がります。
対処法:
- 競合が少ないキーワードを探す(ロングテールキーワード)
- 地域を絞り込んで、競合を減らす
- リマーケティング広告に予算をシフトする(競合が少なく、単価が安い)
③設定ミスで、想定外のキーワードに広告が表示されている
Google広告で「部分一致」というマッチタイプを使っていると、設定したキーワード以外でも、関連すると判断されたキーワードで広告が表示されることがあります。
例えば、「税理士」と設定したのに、「税理士 年収」「税理士試験」といった、お客様にならない検索語句でも広告が表示されてしまいます。
対処法:
- 「検索語句レポート」を確認
- 不要な検索語句を「除外キーワード」に追加
- マッチタイプを「フレーズ一致」や「完全一致」に変更
よくある質問
Q1: 本当に月3万円で効果出ますか?
A: 業種や地域によりますが、適切に設定すれば問い合わせは獲得できます。特に上限クリック単価で無駄を抑えながら運用すれば、少額でも成果は出せます。
ただし、最初の1〜2ヶ月は学習期間と考えてください。この期間にデータを集めて、どのキーワードが効果的か、どのターゲット設定が良いかを見極めます。そして、効果のない部分を停止し、効果のある部分に予算を集中していくことで、だんだん費用対効果が良くなっていきます。
また、業種によってクリック単価が大きく異なります。競合が多い業種(不動産、金融、法律など)では、月3万円だとクリック数が限られるため、もう少し予算が必要な場合もあります。逆に、地域密着型のビジネスやニッチなサービスなら、月3万円でも十分な効果が期待できます。
Q2: 自分で設定するのと、業者に頼むのとどっちがいい?
A: 代行会社に頼むと、広告費の20〜30%の手数料がかかり、月額固定費もかかります。例えば、広告費3万円で依頼すると、代行費6千円〜9千円、さらに月額固定費3〜5万円で、合計7〜9万円近くかかることも珍しくありません。
それより、Web広告に詳しい人に相談しながら、自分で運用する方が現実的です。最初の設定だけサポートしてもらい、基本的な運用方法を教えてもらう。困った時だけピンポイントで相談する。こうすれば、高額な代行費を払い続ける必要はありません。
そして何より、自分で運用すれば、ノウハウが社内に蓄積されます。代行会社に丸投げすると、代行会社がいなくなったら何もできなくなってしまいます。
moribito worksのように、自立支援の姿勢で教えてくれるところを選びましょう。依存関係を作らず、あなたが自分でできるようになることを目指す。それが健全な関係です。
Q3: GoogleとFacebook、両方やらないとダメ?
A: 予算に余裕がなければ、まずはあなたのビジネスに合った方から始めてください。
Google広告(検索広告)がおすすめなのは:
- BtoBのサービス(企業向けコンサルティング、システム開発など)
- 専門性の高いサービス(税理士、弁護士、医療機関など)
- 緊急性の高いサービス(水漏れ修理、鍵開けなど)
- 「○○ 地名」で検索されやすいサービス(美容院、飲食店など)
Facebook/Instagram広告がおすすめなのは:
- BtoCの商品(化粧品、食品、雑貨など)
- ビジュアルで魅力を伝えられる商品・サービス
- ライフスタイル提案型のサービス(ヨガ、習い事など)
- 「欲しい」と思ってもらえるもの(必需品ではなく、あったら嬉しいもの)
迷ったら、まずはGoogle検索広告から始めるのが無難です。「今すぐ客」にアプローチできるので、成約率が高い傾向があります。
そして、ある程度サイトへのアクセスが増えてきたら、リマーケティング広告を追加する。さらに予算に余裕が出てきたら、Facebook/Instagram広告で「潜在客」にもアプローチする。この順序がおすすめです。
Q4: AIの自動入札は使わない方がいいの?
A: AIの自動入札は非常に強力ですが、使うタイミングが重要です。
少額予算の場合、最初からAIに任せると、学習のための無駄打ちが多くなります。AIが賢く判断するには、十分なデータ(過去30日で30件以上のコンバージョン)が必要です。データが少ない状態でAIに任せると、「とりあえずいろいろ試してみる」という動きになり、予算が無駄に消費されてしまいます。
おすすめは、まず上限クリック単価制で手動運用し、10〜20件のコンバージョン(問い合わせなど)が溜まってからAIに移行する方法です。
この順序なら、AIも「こういう人が成約しやすい」というパターンを学習できるので、効率的に運用してくれます。
つまり、「AIは使わない方がいい」のではなく、「AIを使うタイミングが重要」ということです。
Q5: リマーケティング広告って何ですか?
A: リマーケティング広告とは、一度あなたのサイトを訪れた人に、再度広告を表示する仕組みです。
例えば、あなたのサイトで商品を見たけど、その場では購入しなかった人がいたとします。その人が他のサイトを見ているときに、「さっき見た商品、まだあります」という広告が表示される。これがリマーケティングです。
リマーケティングが効果的な理由は、一度サイトを訪れたということは、少なくとも興味は持ってくれたということだからです。「今は時間がない」「もう少し考えたい」といった理由で、その場では行動しなかっただけ。そういう人に、もう一度思い出してもらうのです。
リマーケティングの良いところは:
- 新規の検索広告よりクリック単価が安い
- すでにあなたのサービスを知っている人なので、成約率が高い
- 「興味はあったけど決めきれなかった人」を取りこぼさない
ただし、リマーケティングを始めるには、ある程度サイトへの訪問者が必要です。月に数百人以上の訪問者がいないと、リマーケティングの対象者が少なすぎて効果が出にくいです。
だから、まずは検索広告やFacebook/Instagram広告で認知を広げ、サイトへのアクセスを増やす。そして、ある程度訪問者が溜まってきたら、リマーケティングを追加する。この順序がおすすめです。
Q6: SEO対策より広告の方がいいんですか?
A: SEO対策と広告は、どちらか一方ではなく、両方やるのが理想です。ただし、それぞれに特徴があります。
SEO対策の特徴:
- 効果が出るまでに時間がかかる(3ヶ月〜1年)
- でも、一度上位表示されれば、継続的にアクセスが来る
- クリックされても費用がかからない(無料)
Web広告の特徴:
- 効果がすぐに出る(設定すれば数時間後から)
- でも、広告費を払い続けないとアクセスは来ない
- クリックされると費用がかかる(有料)
どちらが良いかは、あなたの状況によります。
Web広告がおすすめなのは:
- すぐに集客したい(新規オープン、新商品発売など)
- SEO対策の効果が出るまで待てない
- 予算がある程度ある
SEO対策がおすすめなのは:
- 長期的にコストを抑えたい
- じっくり取り組める
- コンテンツを作る時間とスキルがある
そして、最近の変化として重要なのが、Google検索が「AIに聞く」時代に入ったことです。
以前なら、SEO対策をして検索結果の上位に表示されれば、確実にアクセスが来ました。でも今は、検索窓に質問を入れると、AIが答えを生成して表示してくれるため、わざわざサイトを訪問する人が減っています。
つまり、どんなに頑張ってSEO対策をしても、見つけてもらえない可能性が高くなっているのです。
だからこそ、Web広告の重要性が高まっています。広告なら、AIの回答より上に確実に表示されます。「見てもらえる」ことが保証されているのです。
理想は、SEO対策とWeb広告の両方に取り組むことです。でも、予算や時間が限られているなら、まずはWeb広告で確実に見てもらい、お客様を獲得しながら、並行してSEO対策にも取り組む。この順序がおすすめです。
まとめ:少額予算でも、正しく使えばWeb広告は味方になる
長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございます。最後に、重要なポイントをまとめましょう。
Web広告は、これからの時代ますます重要になる
「AIに聞く」時代になり、どんなに良いサイトを作っても、見つけてもらえない可能性が高くなっています。だからこそ、広告で確実に「見てもらう」ことの価値が高まっています。
少額予算でも、やり方次第で成果は出せる
月3万円程度の予算でも、適切に運用すれば問い合わせは獲得できます。大切なのは、無駄打ちを減らし、効果のある部分に集中すること。
最初からAIに任せず、手動運用から始める
少額予算の場合、最初からAIの自動入札に任せると、学習のための無駄打ちが多くなります。まずは上限クリック単価制で手動運用し、データが溜まってからAIに移行する。この順序が、失敗を最小限に抑える鉄則です。
高額な代行会社より、詳しい人に相談しながら自分で運用
代行会社に丸投げすると、広告費以外に高額な代行費がかかります。それより、Web広告に詳しい人に相談しながら、自分で運用する方が現実的です。そして何より、自分で運用すれば、ノウハウが社内に蓄積されます。
ランディングページ、ターゲット設定、効果測定の準備を忘れずに
広告を始める前に、この3つを必ず準備してください。これがないと、せっかくの広告費が無駄になってしまいます。
焦らず、じっくり取り組む
最初の1ヶ月は学習期間。すぐに結果を求めず、データを集めて改善していく。2ヶ月目、3ヶ月目と、だんだん効果が上がっていきます。
Web広告は、正しく使えば中小企業や個人事業主の強い味方になります。大切なのは、「何のために」「誰に向けて」広告を出すのかを明確にすること。そして、制作会社任せにせず、基本を理解して自分でコントロールすることです。
失敗を恐れず、小さくテストする。それがWeb広告成功の秘訣です。
「Web広告、興味はあるけど一人では不安…」そんなあなたへ
moribito worksでは、Web広告の設定から運用まで、あなたが自分でできるようになるまで丁寧にサポートします。高額な代行費ではなく、自立支援の姿勢を大切にしています。
私たちがサポートできること:
✅ 無料相談 – あなたのビジネスに合った広告戦略をアドバイス
✅ 広告アカウント設定サポート – GoogleやFacebookの広告アカウント作成から、最初の広告設定まで、一緒に進めます
✅ 少額予算での効率的な運用方法レクチャー – 上限クリック単価の設定方法、キーワード選定、ターゲット設定など、無駄を抑える実践的なノウハウをお伝えします
✅ 効果測定の見方指導 – Google Analyticsの見方、コンバージョン測定の設定、改善のポイントなど、数字を読み解く力を身につけていただきます
✅ 困った時の「ピットイン」サービス – 3時間以内の対応は無料。「広告が急に配信されなくなった」「設定を変えたら効果が落ちた」など、困った時にすぐ相談できます
私の強み:現場で実践しているからこそわかる
私自身、クライアント向けの広告代行だけでなく、個人でもWeb広告を活用したアフィリエイト(PPCアフィリエイト)を手がけています。つまり、自分のお金を使って、日々広告を運用しているのです。
だからこそ、「どうすれば少額予算で効率よく集客できるか」を常に考え、実践しています。理論だけでなく、現場で使える方法を、身をもって体験しているのです。
教科書的な知識だけでなく、「こういう時はこうする」という実践的なノウハウをお伝えできます。
まずはお気軽にご相談ください
「自分のビジネスに広告は向いているのか?」「どのぐらいの予算が必要か?」「何から始めればいいのか?」
こうした疑問に、無料相談でお答えします。無理な営業は一切いたしません。あなたにとって本当に必要なサポートだけをご提案します。