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【3行まとめ】

  • あなたのサイトは「あなたのため」ではなく「お客様のため」のもの
  • 最初にまくし立てるのではなく、まず相手の悩みに耳を傾けることから始める
  • Yahoo!知恵袋などで実際の声を調べれば、お客様の本音がわかる

「ホームページを作ったけれど、なかなか問い合わせが来ない」「アクセスはあるのに、すぐに離脱されてしまう」そんなお悩みを抱えていませんか?

実は、多くのサイトが犯している根本的な間違いがあります。それは「自分が伝えたいことを伝えたい順番で並べてしまう」ことです。

あなたのサイトは、誰のためのものですか?

「自分のサイト」という思い込みの危険性

サイトオーナーの多くが陥りがちな罠があります。それは「自分のサイトは自分のためのもの」という思い込みです。

  • 自社の歴史や理念を冒頭でアピール
  • サービス内容を詳細に説明
  • 実績や資格を前面に押し出す

これらは確かに大切な情報です。しかし、訪問者が最初に知りたいのは、あなたのことではありません

現実世界で考えてみてください

もしあなたが、とあるお店に悩みを抱えて相談に行ったとき、店員さんがいきなり「当店は創業50年で、店長の私は○○の資格を持っていて…」とまくし立て始めたらどう感じるでしょうか?

「まずは私の話を聞いてよ」と思いませんか?

WEBの世界でも全く同じなのです。

訪問者の本当の気持ちを理解する

数秒で決まる第一印象

ネットユーザーは驚くほどせっかちです。あるページに到達してから離脱するまで、わずか数秒しかありません。

その貴重な数秒で、訪問者に伝えるべきメッセージは何でしょうか?

「あなたの悩み、私にはわかります」

これ以外にありません。

訪問者が求めているもの

見込み客があなたのサイトにやってくる理由は明確です:

  1. 何かの悩みや課題を抱えている
  2. その解決方法を探している
  3. たまたまあなたのサイトを見つけた

つまり、最初からあなたの話を聞きたくて来ているわけではないのです。

「聞き上手なサイト」の作り方

1. 冒頭で悩みに共感する

よく見かける「こんなお悩みを抱えていませんか?」というアプローチ。これは実は非常に理にかなった手法です。

良い例:

  • ホームページはあるのに問い合わせが来ない
  • 同業者との差別化ができない
  • 更新するたびに制作会社に高い費用を請求される
  • 本当に効果があるのか実感できない

このように具体的な悩みを列挙することで、「この人は私の状況をわかってくれる」という安心感を与えられます。

2. 相手の立場で情報を整理する

従来のアプローチ(発信者視点):

  1. 会社概要・理念
  2. サービス内容
  3. 実績・事例
  4. お問い合わせ

聞き上手なアプローチ(ユーザー視点):

  1. あなたの悩みへの共感
  2. なぜその悩みが生まれるのかの分析
  3. 解決に向けた考え方
  4. 具体的な解決方法の提示
  5. 成功事例(同じ悩みを持った人の変化)
  6. 次のアクション

3. 文章を書く仕事をされている方へ

このサイトには、新聞記者や編集者、ライターなど、普段から文章を書くお仕事をされている方もいらっしゃると思います。そうした方々が個人サイトを作る際に、特に気をつけていただきたいことがあります。

補足説明:なぜ文章のプロが個人サイトで苦労するのか?

意外に思われるかもしれませんが、文章を書くプロの方ほど、個人サイトでうまくいかないケースがあります。それは、今まで培ってきた文章作法と、WEBサイトに求められる文章の性質が異なるからです。

文章作成のプロの方が注意すべきポイント

プロの文章 WEBサイトの文章
結論を最初に書く(逆三角形) 共感を最初に示す
客観的・中立的な視点 読者の立場に寄り添う
一方向的な情報提供 双方向のコミュニケーション
完結性を重視 継続的な関係構築

文章を書くプロの方は、「まず結論ありき」「客観的に伝える」という習慣が身についています。これは素晴らしいスキルですが、個人サイトではいったん封印して、「読者との関係作り」を最優先に考えてみてください。

一方で、文章のプロならではの強みもあります。普段から「読者に伝わりやすい文章」を心がけているため、その感覚をWEBにも活かすことができれば、非常に魅力的なサイトになるはずです。

お客様の本音を知る方法

Yahoo!知恵袋で本音を探る

お客様の本当の悩みを知るために、とても役立つのが「Yahoo!知恵袋」です。これは、誰でも質問を投稿でき、他の人が回答できるサービスです。

補足説明:Yahoo!知恵袋とは?

Yahoo!知恵袋は、わからないことや困ったことを質問すると、他の利用者が答えてくれるQ&Aサイトです。匿名で質問できるため、本音が出やすく、リアルな悩みの宝庫となっています。

調べ方(具体例):

  1. Yahoo!知恵袋のサイトにアクセス
  2. 検索窓に「ホームページ 効果ない」と入力して検索
  3. 質問内容と回答の両方をじっくり読む
  4. 「ベストアンサー」に選ばれている回答を重点的にチェック
  5. よく使われている言葉や表現をメモ帳に書き留める

この方法で発見できること:

  • ユーザーが本当に困っていること
  • 解決策として求めているもの
  • 普段使っている言葉遣い(難しい専門用語を使うか、やさしい言葉を好むか)
  • どんな回答に満足しているのか

もう一歩進んだリサーチ方法

慣れてきたら、もう少し本格的な調査方法もあります。それが「Googleキーワードプランナー」というツールです。

補足説明:Googleキーワードプランナーとは?

これは、Googleが提供している無料ツールです。どんなキーワードで検索する人が多いのか、月に何回くらい検索されているのかを調べることができます。元々はGoogle広告を出稿する人向けのツールですが、サイト作りにも役立ちます。

使うにはGoogleアカウント(GmailのアカウントでOK)が必要で、少し設定が必要ですが、慣れると非常に便利です。

キーワードプランナーで分かること(例):

  • 「ホームページ制作 失敗」→ 失敗への不安を抱えている人が多い
  • 「ホームページ制作 相場」→ 費用への心配を持つ人が多い
  • 「ホームページ制作 期間」→ どのくらい時間がかかるか気になる人が多い
  • 「ホームページ制作 自分で」→ 自分でやりたいと思っている人が多い

これらの検索キーワードから、「費用の不安」「時間の心配」「失敗への恐れ」「自立への願望」といった、ユーザーの本当の関心事が見えてきます。

初心者の方へ:まずはYahoo!知恵袋から始めましょう

キーワードプランナーは少し難しく感じるかもしれません。最初はYahoo!知恵袋だけでも十分効果的ですので、まずはそちらから始めてみてください。慣れてきて「もっと詳しく調べたい」と思ったときに、キーワードプランナーに挑戦すれば大丈夫です。

より深い「聞き上手」になるために

ペルソナ(理想のお客様像)の具体化

リサーチで集めた情報をもとに、具体的な人物像を作り上げます。これを「ペルソナ」と呼びます。

補足説明:ペルソナとは?

ペルソナとは、あなたのサービスを利用する理想的なお客様を、まるで実在の人物のように詳しく設定することです。名前、年齢、職業、悩み、趣味まで細かく決めることで、「その人なら何を求めているか?」が明確になります。

例:田中太郎さん(45歳・製造業・従業員15名の会社経営)

  • 3年前にホームページを100万円で制作
  • 月1件程度の問い合わせはあるが、成約に至らない
  • 更新を依頼すると毎回3万円の費用がかかる
  • 同業他社のサイトの方が見栄えが良くて焦っている
  • 本当に効果があるのか疑問に思い始めている
  • 平日は忙しく、サイトのことを考える時間は週末のみ

このように具体的に設定することで、「田中さんにとって最初に必要な言葉は何か?」が明確になります。

カスタマージャーニー(お客様の気持ちの変化)の設計

訪問者の心理の変化を段階的に追っていきます:

  1. 認知段階: 「こんな悩み、私だけじゃないんだ」
  2. 興味段階: 「この人、詳しそう。もう少し読んでみよう」
  3. 検討段階: 「具体的にどんな解決方法があるんだろう?」
  4. 比較段階: 「他とは何が違うんだろう?」
  5. 決定段階: 「この人に相談してみよう」

各段階で必要な情報とメッセージを設計します。

補足説明:カスタマージャーニーとは?

お客様があなたのサービスを知ってから実際に利用するまでの「心の旅路」のことです。最初は「知らない」状態から始まって、だんだん興味を持ち、最終的には「お願いしたい」と思うまでの過程を段階的に整理したものです。

「聞き上手」の先にある心理誘導

信頼関係の構築

相手の悩みに寄り添うことで信頼関係を構築できたら、次は「この人なら任せられる」と思ってもらう段階です。

効果的な要素:

  • 同じ悩みを解決した具体的事例
  • 失敗談も含めた正直な体験談
  • 専門知識をわかりやすく説明する能力
  • アフターフォローへの言及

自然な行動喚起

最終的には何らかのアクションを取ってもらう必要があります。しかし、聞き上手になった流れを壊してはいけません。

NG例: 「今すぐお申し込みください!」

OK例: 「同じようなお悩みをお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。30分程度お話をお聞きして、どんな解決方法があるかを一緒に考えてみませんか?」

まとめ:聞き上手なサイトの5原則

  1. ユーザーファースト: サイトはお客様のためのもの
  2. 共感から始める: まず相手の悩みに耳を傾ける
  3. しっかりリサーチ: Yahoo!知恵袋などで実際の声を調べる
  4. 具体的なペルソナ: 「誰に向けて」を明確にする
  5. 自然な導線: 信頼関係を築いてから行動を促す

よくある質問

Q. 「聞き上手」だけでは、自社の強みが伝わらないのでは?

A. むしろ逆です。相手の悩みを深く理解している姿勢こそが、最大の差別化になります。その上で解決策を提示するから説得力が生まれるのです。

Q. 業界によっては、権威性を最初に示した方が良いケースもあるのでは?

A. 確かにBtoB向けなど、一部の業界では実績を重視するケースもあります。ただし、その場合でも「○○でお困りの企業様へ」のような共感から入り、その後で実績を示すという順番は変えない方が効果的です。

Q. 文章を書く仕事をしている人の経験は、個人サイトでどう活かせば良いでしょうか?

A. 普段から「読者に伝わりやすい文章」を心がけているその感覚は、大きな武器になります。ただし、「情報を伝える文章」から「関係を築く文章」へと、少し書き方を変える必要があります。今まで培った「相手の立場で考える力」をWEBでも活かしてください。

Q. リサーチにどのくらい時間をかけるべきでしょうか?

A. サイト制作の全工程の2〜3割程度は、リサーチに充てることをおすすめします。「急がば回れ」で、最初にしっかり調べることで、後の作業効率が大幅に向上します。忙しい方は、休日に1〜2時間程度、Yahoo!知恵袋を眺めるだけでも違います。

Q. 一度作ったサイトを「聞き上手」に修正することはできますか?

A. もちろん可能です。特にトップページの冒頭部分を修正するだけでも、大きな効果が期待できます。「お客様の声」ページがあれば、そこからよくある悩みを抽出して活用するのも効果的です。

Q. Yahoo!知恵袋を見ても、自分の業界の質問が少ない場合はどうすれば?

A. その場合は、少し検索キーワードを変えてみてください。また、FacebookやTwitterなどのSNSで、同じようなキーワードで検索すると、リアルタイムの声が見つかることもあります。


一人で悩まず、私たちと一緒にがんばりませんか?

あなたのサイトが「聞き上手」になることで、きっと多くの人に価値を提供できるはずです。「どこから手をつければいいかわからない」「具体的なアドバイスが欲しい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。