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要点

noteは無料で始められて手軽なメディアプラットフォーム。すぐに情報発信を始めたい人には便利だが、プラットフォーム依存のリスクもある。ホームページ(WordPress)とnoteは「土地と借地」の関係と考え、目的に応じて使い分けるのが賢い選択。

はじめに

「noteって最近よく聞くけど、ホームページとどう違うの?」「自分のビジネスにはどっちが向いているんだろう?」

SNSで「note読みました」という投稿を見かけることが増えました。企業の公式サイトではなく、noteで情報発信している会社も珍しくありません。

私は31年間新聞記者として働き、今はWeb制作の仕事をしています。その経験から言えるのは、noteは便利なツールだけど、万能ではないということです。

この記事では、noteの特徴を理解した上で、あなたのビジネスにどう活かせるかを一緒に考えていきましょう。

noteって何?基本を知ろう

noteは、文章や画像、音声、動画を投稿できるメディアプラットフォームです。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、2014年からサービスを提供しています。

数字で見るnoteの規模:

  • 月間アクティブユーザー:6,300万人以上(2020年時点)
  • 法人アカウント数:3.5万件以上(2024年3月時点)
  • 累計会員登録者数:777万人(2024年2月時点)

ブログのように記事を書けて、SNSのように「スキ」(いいね)やフォロー機能もあります。さらに、記事を有料で販売したり、月額会費制のメンバーシップを作ったりもできます。

noteの「いいところ」

まずは、noteの優れている点を見ていきましょう。

すぐ始められる

アカウントを作るだけで、その日から情報発信できます。サーバーを借りたり、ドメインを取得したり、WordPressをインストールしたり…そういった専門的な作業は一切不要です。

パソコンが苦手な方でも、スマホだけで記事を書いて公開できます。

無料または低コストで始められる

基本プランは完全無料です。有料プランも以下の通り、選択肢があります:

  • 基本プラン:無料
  • noteプレミアム:月額500円(個人向け高機能)
  • note pro:月額5万円(法人向け高機能)

本格的なホームページを制作会社に依頼すると数十万円かかることを考えれば、初期投資を抑えられます。

既に大勢の人が集まっている

月間6,300万人以上が利用するプラットフォームです。noteの中には記事のレコメンド機能があり、あなたの記事と似たテーマに興味がある人に届きやすい仕組みが整っています。

編集部にピックアップされれば、一気に注目を集めることもあります。ゼロから自分でサイトを立ち上げて集客するより、人が集まっている場所に出店するイメージです。

収益化の仕組みが最初から用意されている

noteには3つの収益化方法があります:

  1. 有料記事販売:100円〜10,000円(プレミアムプランなら50,000円まで)で記事を販売
  2. メンバーシップ:月額会費制のコミュニティ運営
  3. クリエイターサポート:読者からの「投げ銭」

専門知識を持っている方、ノウハウを教えられる方にとっては、すぐに収益化できる環境が整っています。

広告が表示されない

noteには広告がありません。あなたの記事の途中に、無関係な広告が割り込むこともありません。読者は純粋にあなたのコンテンツに集中できます。

これは、無料ブログサービスとの大きな違いです。

SNSとの相性が良い

記事のあちこちにSNSシェアボタンがあり、TwitterやFacebookで拡散されやすい設計になっています。良い記事を書けば、SNS経由で多くの人に届く可能性があります。

ここまで読むと「noteって最高じゃないか!」と思うかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

noteの「気をつけるところ」

便利なnoteですが、いくつか注意すべき点があります。特に、長期的にビジネスを展開したい方には重要なポイントです。

プラットフォーム依存のリスク

noteは、note株式会社が運営するサービスです。つまり、あなたのコンテンツは、note社のプラットフォーム上にあるということです。

もし将来、note社が:

  • サービスを終了したら?
  • 利用規約を大きく変更したら?
  • 料金体系を変えたら?

あなたはその決定に従うしかありません。これが「プラットフォーム依存」のリスクです。

実際、過去にも人気だったサービスが突然終了したり、方針転換したりした例はいくつもあります。

「一国一城の主」にはなれない

私がクライアントによく言うのは、**「ホームページは、あなたの土地。noteは、借地」**という例えです。

WordPressで独自ドメインのサイトを持てば、それは完全にあなたのものです。サーバー会社が倒産しない限り、誰にも奪われません。移転も自由です。

でもnoteは、あくまで「note社の土地を借りている」状態です。便利だけど、完全な所有権はありません。

カスタマイズの制限

noteは使いやすさを重視した結果、デザインや機能のカスタマイズには制限があります。

  • 独自のデザインに変更できない
  • 必要な機能を自由に追加できない
  • 問い合わせフォームなど、ビジネスに必要な機能が標準では不足

月額5万円のnote proでも、カスタマイズできる範囲は限られています。

データの移行が困難

将来、「やっぱり自分のホームページを持ちたい」と思ったとき、noteからWordPressへの引っ越しは大変です。

記事を一つずつコピー&ペーストする手作業が中心になります。記事が100本、200本とあったら…想像しただけで気が遠くなりますよね。

独自ドメインは有料プラン限定

あなたのビジネス用のドメイン(例:yourcompany.com)を使うには、月額5万円のnote proプランが必要です。

基本プランでは「note.com/あなたのアカウント名」というURLになります。これは、あなたのブランドではなく、noteのブランドが前面に出る形です。

WordPressとの比較:「土地」か「借地」か

ここで、WordPressとnoteを具体的に比較してみましょう。

項目 WordPress(独自ドメイン) note(基本プラン) note pro
初期費用 ほぼゼロ(ドメイン・サーバー代のみ) ゼロ 初期設定が必要
月額費用 500〜1,500円程度 無料 50,000円
所有権 完全にあなたのもの note社のプラットフォーム note社のプラットフォーム
独自ドメイン 使える 使えない 使える
デザイン自由度 非常に高い 低い 中程度
機能拡張 プラグインで自由に追加 制限あり 制限あり
データ移行 簡単(エクスポート機能あり) 困難(手作業中心) 困難(手作業中心)
初心者の使いやすさ やや学習が必要 非常に簡単 簡単
集客力 SEO対策が必要 プラットフォーム内のユーザーにリーチ プラットフォーム内のユーザーにリーチ

私の考え: WordPressは「自分の土地を買って家を建てる」。初期の手間はかかるけど、完全にあなたのものです。

noteは「良い立地の物件を借りる」。すぐ始められて便利だけど、大家さん(note社)の方針には従う必要があります。

こんな使い方がおすすめ

「じゃあ、どっちを選べばいいの?」

実は、どちらか一つに絞る必要はありません。それぞれの良いところを活かした使い分けがおすすめです。

パターン①:noteから始めて、将来WordPressへ

こんな方におすすめ:

  • これから起業する方
  • まずは情報発信してみたい方
  • 初期投資を極力抑えたい方

進め方:

  1. noteで無料アカウントを作成
  2. 記事を書いて反応を見る
  3. 読者がついてきたら、WordPressサイトを準備
  4. noteは入り口として継続、WordPressを本拠地に

ただし、将来の引っ越しを考えて、最初から記事のバックアップは取っておきましょう。

パターン②:WordPressがメイン、noteはサブ窓口

こんな方におすすめ:

  • 既に事業を持っている方
  • 長期的な資産形成を重視する方
  • ある程度の初期投資ができる方

進め方:

  1. WordPressで本格的なサイトを構築
  2. noteアカウントも開設
  3. 同じ記事を両方に投稿(noteは要約版でもOK)
  4. noteからWordPressサイトへ誘導

noteの6,300万ユーザーへの入り口を作りつつ、本拠地はしっかり自分で所有する形です。

パターン③:個人メディア構築中のメディア人向け

こんな方におすすめ:

  • 新聞社・出版社・テレビ局などマスメディア出身者
  • これから個人メディアを立ち上げたい記者・編集者
  • すでに一定の専門性やネットワークを持っている方

進め方:

  1. noteで発信を開始(すぐに始められる)
  2. 記事を蓄積しながら読者の反応を見る
  3. 並行してWordPressサイトを準備
  4. WordPressを本格的な「ヒューマンメディア」として育てる
  5. noteは入り口・実験場として活用を継続

マスメディアで培った取材力・文章力をnoteで発揮しつつ、長期的には自分の「一国一城」を持つ戦略です。note読者を自分のWordPressサイトに誘導していけば、プラットフォームに依存しない自立したメディアが作れます。

moribitoでは、こうした個人メディア構築を本格的に支援しています。

よくある質問

Q1. noteだけで事業サイトとして十分ですか?

名刺代わりや情報発信の場としては十分です。実際、noteだけで活動している個人事業主や企業もたくさんあります。

ただし、本格的な事業サイトとして長期的に運営したい場合は、将来的にWordPressへの移行が大変になることを覚えておいてください。

「とりあえず始めてみる」ならnote、「長く続ける本拠地」ならWordPress、というイメージです。

Q2. noteとWordPress、両方使うのは大変じゃないですか?

最初は確かに手間がかかります。でも、役割分担を明確にすれば効率的に運用できます。

例えば:

  • note:短めの記事、タイムリーな話題、SNS向けの内容
  • WordPress:詳しい解説記事、サービス案内、お客様の声

同じ内容を両方に投稿する方法もあります。noteは要約版、WordPressで詳細版、という使い分けも有効です。

Q3. どっちか一つだけ選ぶなら?

長期的な資産形成を考えるなら、私はWordPressをおすすめします。

理由は、完全な所有権があるからです。あなたが書いた記事、集めた読者、築いた信頼は、すべてあなたの資産になります。

ただし、「とにかく今すぐ始めたい」「初期投資を抑えたい」という場合は、noteから始めて様子を見るのも一つの方法です。

Q4. note proは必要ですか?

月額5万円の価値があるかどうかは、あなたの事業規模と目的次第です。

note proのメリット:

  • 独自ドメインが使える
  • デザインカスタマイズの幅が広がる
  • 運営サポートが受けられる
  • Googleアナリティクスの設定ができる

年間60万円の投資に見合う効果が見込めるなら、検討の価値があります。でも中小企業や個人事業主の場合、その予算でWordPressサイトを作って、残りをコンテンツ制作や広告に回す方が効果的かもしれません。

Q5. noteからWordPressへの引っ越しはできますか?

可能ですが、かなり手間がかかります。

noteには記事の一括エクスポート機能がないため、基本的に記事を一つずつコピーして、WordPressに貼り付ける作業になります。画像も一つずつ保存して再アップロードする必要があります。

記事が10本なら何とかなりますが、100本、200本となると…想像できますよね。

だからこそ、「長く続けるつもりなら、最初からWordPress」とおすすめしているのです。

Q6. 個人メディアを作りたいメディア人にはどちらがおすすめ?

両方使うのがベストです。

マスメディア出身者には、既に書く力と専門性があります。noteで素早く発信して反応を見つつ、WordPressで本格的な「ヒューマンメディア」を構築する。

このハイブリッド戦略が、最も効果的だと私は考えています。

組織のブランドではなく、あなた個人のブランドで勝負する時代です。自分の「一国一城」を持つことの価値は、想像以上に大きいですよ。

まとめ:noteは「使える」けど「頼りすぎない」

noteは確かに便利なツールです。すぐに始められて、無料で、大勢の人がいる。収益化の仕組みもある。

でも、それは「note社のプラットフォームを借りている」からこそのメリットです。

Web制作・編集をしている経験から言えること:

長期的にビジネスを続けるなら、「自分の土地」を持つことの価値は計り知れません。WordPressで独自ドメインのサイトを持つことは、少しの手間と小さな投資で、大きな安心を買うことです。

もちろん、noteをうまく活用する方法もあります。WordPressとnoteを組み合わせて、それぞれの良いところを活かす。これが私のおすすめです。

大切なのは、「どちらが絶対に正しい」ではなく、「あなたの状況と目的に合った選択」をすることです。

あなたに合った情報発信の方法、一緒に考えませんか?

「noteとWordPress、結局どっちが自分に合っているんだろう?」 「両方使うって言われても、具体的にどうすればいいの?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

moribitoでは、あなたの事業の状況をお聞きした上で、最適な情報発信の方法をご提案しています。

  • 今の事業規模と予算
  • どんなお客様に届けたいか
  • 将来どう展開していきたいか

こうしたことをお聞きしながら、「あなたらしい情報発信の形」を一緒に考えます。

noteがいいのか、WordPressがいいのか、それとも両方使うのか。一般論ではなく、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをさせていただきます。

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  • 無理な営業は一切いたしません
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