資料ダウンロードで見込み客情報を集める
問い合わせフォームが完成しましたね。次は、もう一つの重要なフォーム、資料ダウンロードフォームを作りましょう。
「問い合わせフォームがあれば十分じゃないの?」と思うかもしれません。でも、実は資料ダウンロードフォームには、問い合わせフォームとは違う大きなメリットがあるんです。
資料ダウンロードフォームのメリット
1. 心理的ハードルが低い
「問い合わせ」って、けっこう勇気がいりますよね。
- 「問い合わせたら、営業電話がかかってくるかも」
- 「まだ検討段階だから、問い合わせるほどじゃない」
- 「質問したいけど、何を聞けばいいかまとまっていない」
こんな心理が働いて、興味はあるのに問い合わせをためらう人は多いんです。
でも、「資料をダウンロードする」だけなら、気軽にできますよね。
2. 見込み客の情報を自然に取得できる
資料ダウンロードと引き換えに、名前やメールアドレスを入力してもらいます。これで、「興味を持っている人」のリストが作れます。
すぐに問い合わせには至らなくても、「この人はこのサービスに興味がある」という情報があれば、後からメールでフォローアップできます。
3. 興味レベルに応じたフォローアップが可能
HubSpotでは、「どの資料をダウンロードしたか」が記録されます。
たとえば:
- 「初心者向けガイド」をダウンロードした人 → 基礎的な内容のメールを送る
- 「料金プラン詳細」をダウンロードした人 → 具体的な提案をする
- 「導入事例集」をダウンロードした人 → 成功事例を中心に案内する
このように、興味関心に合わせたアプローチができるんです。
4. 専門性と信頼性をアピールできる
しっかりとした資料を提供することで、「この会社は専門知識がある」「信頼できそう」という印象を与えられます。
どんな資料を用意すればいい?
「資料ダウンロードって言っても、何を作ればいいの?」
そんな疑問を持つ方も多いと思います。いくつか例を挙げますね。
初心者向け:
- 「○○の始め方ガイド」
- 「よくある5つの失敗と対策」
- 「初めての方向けチェックリスト」
- 「用語集」
検討段階の人向け:
- 「サービス資料(詳細版)」
- 「料金プラン比較表」
- 「導入事例集」
- 「導入までの流れ」
具体的な課題解決:
- 「○○を解決する3つの方法」
- 「業種別活用ガイド」
- 「テンプレート集」
- 「チェックシート」
まずは1つか2つから始めましょう。
たとえば:
- サービス紹介資料(PDF、5-10ページ程度)
- 初心者向けガイド(PDF、3-5ページ程度)
これぐらいなら、PowerPointやGoogleスライドで作れます。デザインはシンプルでOK。内容が充実していれば、見た目が多少地味でも問題ありません。
資料ダウンロードフォームの作成手順
基本的な作り方は、問い合わせフォームと同じです。でも、いくつか違うポイントがあるので、丁寧に説明していきますね。
ステップ1:新しいフォームを作成
- HubSpotダッシュボードにログイン
- 「マーケティング」→「リードの獲得」→「フォーム」
- 「フォームを作成」ボタンをクリック
- 「埋め込みフォーム」を選択
- フォーム名を入力(例:「サービス資料ダウンロード」「初心者ガイドダウンロード」)
この名前は管理用なので、自分がわかりやすい名前をつければOKです。
ステップ2:フォーム項目の設定
資料ダウンロードの場合、問い合わせフォームほど多くの情報は求めません。ハードルを下げるためです。
おすすめの項目構成:
必須項目:
- 姓
- 名
- メールアドレス
これだけで十分です。
入力項目が少ないほど、ダウンロード率が上がります。
任意項目として追加するなら:
- 会社名(BtoB事業の場合)
- 役職(BtoB事業の場合)
- 興味のあるサービス(複数の資料を用意している場合)
でも、本当に必要か考えましょう。迷ったら、項目は少なめにしておくのが正解です。
ステップ3:送信ボタンのテキスト
資料ダウンロードの場合、送信ボタンの文言も工夫しましょう。
おすすめの文言:
- 「資料をダウンロードする」
- 「無料でダウンロード」
- 「今すぐダウンロード」
- 「ガイドを受け取る」
「送信」より、「何が得られるか」を明確にした方が、クリック率が上がります。
ステップ4:送信後の設定(ここが超重要!)
資料ダウンロードの場合、送信後の設定が問い合わせフォームより重要です。
「オプション」タブを開いて、送信後の動作を設定します。
方法A:サンキューページにリダイレクト(おすすめ)
専用の「ありがとうページ」を作って、そこで資料をダウンロードできるようにする方法。
メリット:
- 確実に資料をダウンロードしてもらえる
- ダウンロードページで追加情報も提供できる
- Google広告などのコンバージョン計測がしやすい
設定方法:
手順1:まず、サンキューページを作成
あなたのサイトに、資料ダウンロード専用のページを作ります。
WordPressの場合:
- 新しい固定ページを作成
- タイトル:「資料ダウンロード – ありがとうございます」
- URLスラッグ:「/download-thanks/」など
ページに書く内容:
【見出し】 資料ダウンロード – ありがとうございます
【本文】 この度は、資料をダウンロードいただき、誠にありがとうございます。 下記のボタンから、資料(PDF)をダウンロードいただけます。
【ダウンロードボタン】 PDFファイルへのリンクを設置
【追加メッセージ】 ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせフォームへのリンク】 問い合わせページへのリンクを設置
手順2:資料(PDF)をサーバーにアップロード
WordPressの場合:
- 管理画面の「メディア」→「新規追加」
- PDFファイルをアップロード
- ファイルのURLをコピー(例:https://yoursite.com/wp-content/uploads/2025/10/service-guide.pdf)
手順3:サンキューページにダウンロードボタンを設置
- ボタンのリンク先に、PDFのURLを設定
- ボタンのテキスト:「資料をダウンロード(PDF)」
- 新しいタブで開く設定にしておくと親切
手順4:HubSpotフォームでリダイレクト設定
- HubSpotのフォーム編集画面に戻る
- 「オプション」タブを開く
- 「送信後の表示」で「別のページにリダイレクト」を選択
- サンキューページのURL(例:https://yoursite.com/download-thanks/)を入力
これで完璧です!
方法B:自動返信メールに資料を添付
サンキューページを作るのが面倒な場合は、自動返信メールに資料を添付する方法もあります。
メリット:
- サンキューページを作る必要がない
- 簡単に設定できる
デメリット:
- メールが迷惑メールフォルダに入ると、資料が届かない
- 添付ファイルのサイズに制限がある(通常5MB程度まで)
- ダウンロード数の計測がしにくい
設定方法:
手順1:「オプション」タブで「フォロー通知Eメールを送信」をオンにする
手順2:自動返信メールの設定
件名の例:
【資料送付】サービスガイドをお送りします
本文の例:
{名} 様
資料をダウンロードいただき、ありがとうございます。
ご希望いただいた「○○サービスガイド」を、このメールに添付しております。 PDFファイルをご確認ください。
ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
株式会社○○
担当:田中
メール:info@example.com
電話:03-1234-5678
手順3:メール編集画面で添付ファイルを追加
- 「添付ファイル」ボタンをクリック
- PDFファイルを選択してアップロード
注意:ファイルサイズが大きい場合(5MB以上)は、方法A(サンキューページ)方式をおすすめします。
どちらがいい?
初心者の方や、少し手間をかけられる方:方法A(サンキューページ)がおすすめ
- 確実性が高い
- 後から資料を差し替えやすい
- 追加情報も提供できる
とにかく簡単に済ませたい方:方法B(メール添付)
- 設定が楽
- すぐに始められる
ステップ5:資料を複数用意している場合
もし、複数の資料を用意している場合(例:「初心者ガイド」「料金プラン」「導入事例」など)は、どうすればいいでしょう?
選択肢1:フォームを複数作る
資料ごとに別々のフォームを作る方法。
メリット:
- どの資料がどれだけダウンロードされているか、明確にわかる
- 資料ごとに異なるサンキューページに誘導できる
デメリット:
- 管理が少し面倒
選択肢2:1つのフォームに「ダウンロードしたい資料」の選択肢を追加
フォームの項目に「どの資料をご希望ですか?」というチェックボックスやドロップダウンを追加。
メリット:
- フォームを1つだけ管理すればいい
- 訪問者も複数の資料を同時にリクエストできる
デメリット:
- サンキューページで全資料へのリンクを並べることになり、やや雑然とする
おすすめは「選択肢1」、つまり資料ごとに別のフォームを作る方法です。
ステップ6:デザイン設定
資料ダウンロードフォームは、シンプルで清潔感のあるデザインがおすすめです。
「スタイルとプレビュー」タブで調整:
- 送信ボタンの色:目立つ色(青、緑、オレンジなど)
- レイアウト:縦並び(スマホでも見やすい)
- フォント:読みやすいサイズ
項目が少ないので、デザインもシンプルに。ゴチャゴチャさせないのがコツです。
ステップ7:フォームを公開して埋め込みコードを取得
問い合わせフォームと同じ手順です。
- 右上の「公開」ボタンをクリック
- 「共有」タブから「埋め込みコード」をコピー
ステップ8:サイトに設置
どこに設置するか?
資料ダウンロードフォームは、以下のような場所に設置すると効果的です。
専用のランディングページ
- 「資料ダウンロード」という独立したページを作る
- 広告のリンク先にも使える
サービス紹介ページの最後
- 「詳しくは資料をご覧ください」として設置
ブログ記事の最後
- 「この記事に関連する詳細資料を無料でダウンロードできます」
トップページ
- 目立つ位置に「無料資料ダウンロード」のセクションを作る
設置方法は、問い合わせフォームと全く同じです。
WordPressの場合:
- HubSpotプラグインを使うか、カスタムHTMLブロックで埋め込みコードを貼り付け
その他のサイトビルダー:
- カスタムコード機能で埋め込みコードを貼り付け
ステップ9:動作確認
これも必須です!
確認項目:
- フォームが正しく表示されているか(PCとスマホ両方で確認)
- 実際にテスト送信(自分のメールアドレスで送信)
- 送信後、正しくサンキューページに移動するか(または、自動返信メールが届くか)
- サンキューページから資料がダウンロードできるか(PDFが正しく開くか確認)
- HubSpotの管理画面で情報が記録されているか(「コンタクト」画面で確認)
すべて問題なければ、完成です!
資料ダウンロード後のフォローアップが重要
資料をダウンロードしてもらったら、それで終わりではありません。むしろ、ここからが本番です。
おすすめのフォローアップ:
1. ダウンロード直後(自動返信メール)
資料をダウンロードいただき、ありがとうございます。 ご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。
2. 3日後(フォローアップメール)
先日は資料をダウンロードいただき、ありがとうございました。 資料はご覧いただけましたでしょうか?
もし、わかりにくい点や、もっと詳しく知りたいことがあれば、 30分の無料相談も承っております。お気軽にご連絡ください。
3. 1週間後(関連情報の提供)
○○様
先日ダウンロードいただいた資料に関連して、 こんな事例もあります(ブログ記事へのリンク)。
ご参考になれば幸いです。
このフォローアップは、次の「顧客管理ページ」の機能を使って実現できます。
次は「集めた情報をどう活かす?顧客管理の基本」


