ホームページを作ろうとして、頭が混乱したことはありませんか?
「ホームページを作りたいな」と思って調べ始めたら、わけのわからない言葉がいっぱい出てきて、もう何がなんだか…。
「WordPress?FTP?SSL?何それ?」
「みんな当然のように話してるけど、私だけわからないの?」
「自分が頭悪いのかな…」
そんな風に落ち込んだことはありませんか?
安心してください。あなたの理解力が足りないのではありません。
WEB制作で混乱するのは、エンジニアが作ったシステムの多くが、使う人の気持ちを考えずに設計されているからです。必要以上に自信を失わず、堂々と要求して満足できるサイトを勝ち取ってください。
身近な実例:「分かりづらい設計」を体験してみよう
実例1:ホームページ作成ツールの謎
あるホームページ作成ツールを使おうとしたとき、設定画面にこんな項目が並んでいました。
- 「ヘッダーエリア」
- 「headerエリア」
- 「ヘッダー画像」
- 「ヘッダー背景画像」
…え?「ヘッダーエリア」と「headerエリア」って何が違うの?
「ヘッダー画像」と「ヘッダー背景画像」も、どう使い分けるの?
一言の説明があれば済むのに、その配慮がありません。
きっと作った人の頭の中では明確に区別されているのでしょうが、初めて使う人には暗号のようです。
実例2:Facebookの仕様変更地獄
Facebookページを運営しようとして、設定方法をGoogle検索。
でも、昨日まで使えた方法が今日は使えない。検索で出てくるのは「古い情報」ばかり。
しかも、Instagram連携で管理画面がさらに複雑化。操作項目がたくさんあって、どこを触ればいいのかため息が出ます。
AIに聞いても、AIでさえ最新仕様についていけない変化の速さ。
これ、上級者でもストレスを感じているんです。
実例3:マイナンバーカードの見えない仕組み
コロナ給付金の申請で、マイナンバーカードを使おうとしたら…
「署名用電子証明書が失効しています。市区町村の窓口で電子証明書の発行手続きを行ってください。」
え?何それ?
実は、マイナンバーカードには2つのパスワードがあって、住所変更をすると片方が自動的に失効するんです。
セキュリティ上は正しい仕組みなのでしょうが、事前に説明があれば混乱せずに済んだのに。
実例4:税務署のe-Tax選択肢
確定申告をネットでしようとしたら、選択肢がいっぱい。
「e-Taxソフト(SP版)」「e-Taxソフト(WEB版)」…どっちを使えばいいの?
「事前準備セットアップ」って何の準備?
多機能で便利なシステムなのは分かりますが、初心者にはどこから手をつけていいのかわからない。
結局「税務署で手書きの方が早い」という状況に。
なぜこんなことが起きるのか?
エンジニア側の事情も理解しよう
エンジニアにとって当たり前のことが、一般の人には異世界の言葉。
でも、これは悪意があるわけではありません。
専門家は自分の専門分野では「知らない人の気持ち」を想像するのが難しいものです。
お医者さんが専門用語で説明してしまうのと同じですね。
技術的制約もある
複雑に見える設計にも、技術的な理由があることが多いんです。
セキュリティを高めるため、多様な用途に対応するため、将来の拡張を考えて…
良かれと思って作った機能が、結果的に使いにくくなってしまうことも。
業界全体の課題
個人のエンジニアの問題というより、業界全体の文化的な課題。
「作る側の論理」が優先されがちで、「使う側の体験」への配慮が後回しになりやすいんです。
これは日本のIT業界だけでなく、世界共通の課題でもあります。
これは「あなたのせい」ではありません
混乱するのは当然
ITスキル不足ではなく、説明不足の問題です。
混乱するのは正常な反応。
私は日本経済新聞で31年間記者をしていましたが、それでもWEB制作では戸惑うことがたくさんありました。
みんな最初は初心者
エンジニアだって、最初は何もわからない状態からスタートしています。
違いは、彼らには「教えてくれる先輩」がいたこと。
あなたにも、わかりやすく教えてくれる人が必要なんです。
あなたには「質問する権利」があります
遠慮せずに聞きましょう
「わからない」と言うのは恥ずかしいことではありません。
「違いを教えてください」と質問するのは当然の権利。
「もう少し詳しく説明してください」とお願いするのも大切です。
良いパートナーを見つけよう
本当に良いエンジニアは、喜んで説明してくれます。
「当然知ってますよね?」ではなく「ご存知ですか?」と聞いてくれる人。
専門用語を使わずに、例え話で説明してくれる人。
そういう人と一緒に仕事をしましょう。
よくある質問
Q: 「これぐらい常識」と言われたらどうすれば? A: 「すみません、私にとっては初めてなので教えてください」と素直に伝えましょう。
Q: 質問しすぎて迷惑かけませんか? A: 良いエンジニアなら「質問してくれてありがとう」と思います。むしろコミュニケーションが増えて良い結果になります。
Q: エンジニアとの良好な関係を保つには? A: お互いの立場を理解し合うことです。あなたも相手の専門性を尊重し、相手もあなたの立場を理解してもらう。
Q: 自分だけがわからないのでは? A: みんな最初はわからないものです。「わからない」と言える勇気が大切です。
Q: どこまで質問していいの? A: 理解できるまで、安心できるまで質問していいんです。
Q: 良いエンジニアの見分け方は? A: 専門用語を噛み砕いて説明してくれる人、あなたのペースに合わせてくれる人です。
まとめ:お互いを理解し合いましょう
あなたの感じる困惑は、とても自然な反応です。
エンジニアも完璧ではありませんし、あなたも最初から全てを理解する必要はありません。
大切なのは、お互いがコミュニケーションを取って、歩み寄ること。
あなたは遠慮せずに質問し、エンジニアには丁寧な説明をお願いする。
そして、もし「常識でしょ」と言われたら、こう答えましょう。
「私にとっては初めてのことなので、教えていただけませんか?」
これが言えるエンジニアこそ、本当のプロフェッショナルです。
お互いの立場を理解し合えば、きっと満足できるサイトが作れるはずです。