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要点

独自ドメインでメールアドレスを作ったら、次はパソコンで送受信できるようにしましょう。「設定が難しそう…」と不安な方も大丈夫。まずは設定不要のWebメールから始めて、慣れてきたらメールソフトに挑戦する、段階的な方法をご紹介します。

あなたの不安、よくわかります

  • 「メールソフトの設定なんて、絶対に無理」
  • 「エラーが出たらどうしよう。元に戻せるの?」
  • 「専門用語ばかりで何を入力すればいいかわからない」
  • 「失敗したら、もうメールが使えなくなってしまうのでは?」

そんな心配をお持ちの方、安心してください。一緒に、一歩ずつ進めていきましょう。

まず、メールの「流れ」を簡単に理解しましょう

難しい話はしません。メールが届くまでの流れを、お手紙に例えてみます。

お手紙との比較

【お手紙の場合】
あなた → ポスト → 郵便局 → 相手の郵便受け → 相手

【メールの場合】  
あなた → 送信サーバー → インターネット → 受信サーバー → 相手

要するに:

  • 送信サーバー = あなた専用のポスト
  • 受信サーバー = あなた専用の郵便受け

この2つの「住所」を、パソコンに教えてあげるだけです。

【第1段階】まずはWebメールで体験してみましょう

「設定」の前に、まずは設定不要のWebメールで、独自メールを体験してみませんか?

Webメールとは?

ブラウザ(Chrome、Edge、Safari等)で見るメールのことです。

  • 設定作業:一切不要
  • 必要なもの:インターネットに繋がったパソコンだけ

スターレンタルサーバーの場合

  1. サーバー管理画面にログイン
  2. 「Webメール」をクリック
  3. メールアドレスとパスワードを入力
  4. すぐに送受信できます

エックスサーバーの場合

  1. サーバーパネルにログイン
  2. 「Webメール」をクリック
  3. メールアドレスとパスワードを入力
  4. Gmailのような画面で送受信

さくらサーバーの場合

  1. サーバーコントロールパネルにログイン
  2. 「Webメール」を選択
  3. ログイン後、すぐに利用開始

まずはここから始めましょう

「独自メールを実際に使ってみる」 ことから始めると、「ああ、こんな感じなのか」と安心できます。

おすすめ: 自分宛てにテストメールを送って、ちゃんと受信できることを確認してみてください。

【第2段階】Webメールに慣れたら、もっと便利にしませんか?

Webメールで独自メールに慣れてきたら、メールソフトを使うともっと便利になります。

なぜメールソフトを使うの?

Webメールの場合:

  • 毎回ブラウザを開いて、ログインが必要
  • インターネットが切れると過去メールが見られない

メールソフトの場合:

  • パソコンを開けばすぐにメール確認
  • インターネットが切れても過去メールは見られる
  • スマホとの同期もスムーズ

でも、設定が心配ですよね?

大丈夫です。失敗しても、Webメールはそのまま使えます。 メールソフトは「追加」なので、うまくいかなくても何も失いません。

【事前準備】設定に必要な情報を確認しましょう

メールソフトの設定には、サーバー会社からの情報が必要です。 「取扱説明書」のようなものだと思ってください。

確認する場所(サーバー別)

スターレンタルサーバーの場合:

  • サーバー管理画面 → メールアカウント設定
  • 「メールソフト設定」タブで確認

エックスサーバーの場合:

  • サーバーパネル → メール → メールアカウント設定
  • 「メールソフト設定」タブで確認

さくらインターネットの場合:

  • サーバーコントロールパネル → メール → メールアドレス
  • 対象アドレスの「設定」で確認

確認すべき情報(コピーしてメモしておきましょう)

□ あなたのメールアドレス:info@yourcompany.com
□ メールパスワード:(設定したパスワード)
□ 受信サーバー名:mail.yourcompany.com  
□ 受信ポート番号:993(IMAPの場合)
□ 送信サーバー名:mail.yourcompany.com
□ 送信ポート番号:587

💡 コツ: この情報をメモ帳にコピーしておくと、設定時に便利です。

【重要】IMAP と POP、どちらを選ぶ?

これは「郵便の受け取り方」の選択だと思ってください。

POP(従来の方法)

郵便局に取りに行くスタイル

  • メールをパソコンにダウンロードして保存
  • 1台のパソコンでしか見られない
  • インターネットが切れても過去メールは見られる

IMAP(現代の方法)★おすすめ

郵便局に保管してもらうスタイル

  • メールはサーバーに保存したまま
  • パソコンでもスマホでも同じメールが見られる
  • どこからでも最新の状態でアクセス可能

どちらを選べばいい?

迷ったらIMAPにしてください。 スマホでもメールを見る方は、必ずIMAPにしましょう。

【メールソフト選び】あなたに合うのはどれ?

完全無料で始めたい → Thunderbird

こんな方におすすめ:

  • お金をかけたくない
  • でもしっかりした機能が欲しい
  • 複数のメールアドレスを管理したい

メリット:

  • 完全無料、広告なし
  • 複数アカウントを一画面で管理
  • カスタマイズ可能

デメリット:

  • 最初の設定がやや複雑
  • 見た目が少し古い

使いやすさ重視 → Outlook

こんな方におすすめ:

  • 多少お金を払っても使いやすいものが良い
  • カレンダーやタスク管理も一緒にしたい
  • 取引先もOutlookを使っていることが多い

メリット:

  • カレンダー・タスク統合
  • 多くの人が使っているので情報が豊富
  • サポートが充実

デメリット:

  • 有料(月額1,000円程度)
  • 機能が多すぎて迷うことも

【判断基準】

  • 予算重視 → Thunderbird
  • 使いやすさ重視 → Outlook
  • Mac使い → Apple Mail(無料)

【Thunderbird設定手順】一緒にやってみましょう

ダウンロードとインストール

  1. 「Thunderbird ダウンロード」で検索
  2. 公式サイトから最新版をダウンロード
  3. ダウンロードしたファイルをダブルクリック
  4. 「次へ」を何回か押してインストール完了

メールアカウントの設定

🔴 ここが一番大切な部分です。ゆっくり進めましょう。

Step 1: 基本情報の入力

あなたのお名前:田中太郎(送信者として表示したい名前)
メールアドレス:info@yourcompany.com  
パスワード:(メールパスワード)

Step 2: 自動設定をスキップ

  • Thunderbirdが自動で設定を探しますが、「手動設定」をクリック
  • 自動設定は失敗することが多いので、最初から手動でやりましょう

Step 3: 受信サーバーの設定

プロトコル:IMAP(おすすめ)
ホスト名:(メモした受信サーバー名)
ポート:993
SSL:SSL/TLS  
認証方式:通常のパスワード認証
ユーザー名:(メールアドレス全体)

Step 4: 送信サーバーの設定

ホスト名:(メモした送信サーバー名)
ポート:587
SSL:STARTTLS
認証方式:通常のパスワード認証  
ユーザー名:(メールアドレス全体)

Step 5: 完了ボタンを押す

  • 設定が正しければ、「アカウントが正常に作成されました」と表示
  • エラーが出た場合は、入力内容を再確認

よくあるミス(チェックしてください)

  • ✅ サーバー名に余計な空白が入っていないか
  • ✅ ポート番号が正確か(993と587)
  • ✅ ユーザー名がメールアドレス全体になっているか
  • ✅ パスワードが正確か(大文字小文字も含めて)

【Outlook設定手順】こちらも一緒にやりましょう

新しいアカウントの追加

  1. Outlookを起動
  2. 「ファイル」→「アカウントの追加」
  3. 「詳細オプション」をクリック
  4. 「自分で自分のアカウントを手動で設定」にチェック
  5. 「接続」をクリック

アカウントの種類を選択

  • 「IMAP」を選択(おすすめ)
  • 「次へ」をクリック

サーバー設定(Thunderbirdと同じ内容)

受信メールサーバー:

サーバー:(メモした受信サーバー名)
ポート:993
暗号化方式:SSL/TLS

送信メールサーバー:

サーバー:(メモした送信サーバー名)  
ポート:587
暗号化方式:STARTTLS
認証:チェックを入れる

認証情報

ユーザー名:(メールアドレス全体)
パスワード:(メールパスワード)

暗号化について(安心してください、難しくありません)

SSL/TLS と STARTTLS の違い

家の鍵に例えると:

SSL/TLS(受信用):

  • 「最初から鍵のかかった部屋で話をする」
  • 家に入る時から、すでに暗号化されている

STARTTLS(送信用):

  • 「普通に話し始めて、途中から『秘密の話をしよう』と切り替える」
  • 最初は普通、途中から暗号化

どちらも安全です

どちらも、大切なメールの内容はしっかり暗号化されるので安心してください。

なぜ違う方式を使うの?

  • 受信:一対一のやり取りなので、最初から暗号化
  • 送信:メールサーバー間での配送があるので、柔軟な方式

覚える必要はありません。設定さえできれば大丈夫です。

【動作確認】ちゃんと動くかテストしましょう

設定が完了したら、必ずテストしてください。

受信テスト

  1. 「送受信」ボタンをクリック
  2. Webメールで送ったメールが受信されるか確認
  3. エラーが出ないか確認

送信テスト

  1. 自分のメールアドレス宛にテストメールを送信
  2. 「送信済みアイテム」に保存されるか確認
  3. 実際に受信トレイに届くか確認

安全なテスト方法

件名:テスト送信
本文:メールソフトのテストです。問題なく送受信できています。

自分宛てに送れば、相手に迷惑をかけません。

エラーが出た時の対処法(慌てないで!)

よくあるエラーと解決法

「サーバーに接続できません」

原因と対処:

  • ✅ インターネットに繋がっているか確認
  • ✅ サーバー名を正確に入力し直す
  • ✅ ポート番号を確認(993、587)

「認証に失敗しました」

原因と対処:

  • ✅ メールパスワードを正確に入力し直す
  • ✅ ユーザー名がメールアドレス全体になっているか確認
  • ✅ 大文字小文字を間違えていないか確認

「メールを送信できません」

原因と対処:

  • ✅ 送信サーバーのポート番号を587に設定
  • ✅ 暗号化方式をSTARTTLSに設定
  • ✅ SMTP認証にチェックが入っているか確認

それでも解決しない場合

  1. 一度設定を削除して、最初からやり直す
  2. Webメールで送受信できることを確認
  3. サーバー会社のサポートに連絡

大丈夫です。Webメールは使えるので、メールが止まることはありません。

【段階的な進め方】無理をしないで、一歩ずつ

おすすめの進行順序

第1週:Webメールに慣れる

  • 毎日Webメールでメールチェック
  • 送信・返信の操作に慣れる
  • 「独自メールってこんな感じ」を体験

第2週:メールソフトに挑戦

  • Thunderbirdをダウンロード・インストール
  • 設定にチャレンジ(失敗しても大丈夫)
  • Webメールと併用で安心

第3週:使い分けを決める

  • メールソフトが便利 → メインで使用
  • Webメールの方が安心 → そのまま継続
  • 併用 → 普段はソフト、出張時はWeb

複数アカウントについて

最初は1つのメールアドレスだけで十分です。 慣れてきたら、2つ目、3つ目を追加していきましょう。

セキュリティ(安全性)について

必ず暗号化を使いましょう

現代では、暗号化なしでメールを送るのは「はがき」で手紙を送るようなもの。 今回ご紹介した設定なら、自動的に暗号化されるので安心です。

パスワードの管理

  • 複雑なパスワードを設定(8文字以上、英数字混合)
  • 定期的な変更(半年に1回程度)
  • 他のサービスと同じパスワードは使わない

公共Wi-Fiでの注意

出張先などの公共Wi-Fiでメールを使う時は、より注意が必要です。 可能な限り、自分のスマホのテザリングを使いましょう。

【応用編】慣れてきたら試してみてください

複数デバイスでの利用(IMAP設定済みの場合)

パソコン + スマホ で同じメールを見る

  • パソコンで読んだメール → スマホでも「既読」になる
  • スマホで削除したメール → パソコンからも消える
  • 送信済みメール → どちらからでも確認可能

フォルダ分けでメール整理

メールが増えてきたら:

  • 「お客様からのメール」フォルダ
  • 「請求書関連」フォルダ
  • 「プライベート」フォルダ

署名の設定

メールの最後に自動で追加される署名:

─────────────────
田中太郎
○○商店
〒xxx-xxxx 東京都○○区...
TEL: 03-xxxx-xxxx
Email: info@yourcompany.com
─────────────────

よくある質問

Q1. 設定を間違えて、メールが消えてしまうことはありますか?

A. いいえ、ありません。メールソフトの設定は「見る方法」を変えるだけで、メール自体はサーバーに安全に保管されています。最悪の場合、Webメールで確認できます。

Q2. 無料のThunderbirdで本当に大丈夫ですか?

A. はい、大丈夫です。世界中の企業や個人が使っている信頼できるソフトです。有料ソフトと比べても、基本的な機能に差はありません。

Q3. 設定が難しすぎて、途中で諦めてしまいそうです…

A. 全く問題ありません。Webメールだけでも十分にお仕事できます。設定は「より便利にするためのもの」なので、無理をする必要はありません。

Q4. スマホでも同じメールを見られますか?

A. はい。IMAP設定にしておけば、パソコンでもスマホでも同じメールが見られます。どちらで読んでも、既読状態が同期されます。

Q5. 取引先に「ちゃんとしたメールアドレス」だと思ってもらえますか?

A. もちろんです。独自ドメインのメールアドレス(info@yourcompany.com)は、Gmail等のフリーメールより信頼性が高く評価されます。

Q6. 将来、もっと高性能なサーバーに変更することはできますか?

A. はい、可能です。その場合は、新しいサーバーで同じ設定を行うだけです。メールソフトの操作に慣れておけば、移行も簡単になります。

プロからの応援メッセージ

私は31年間新聞記者として働き、現在は多くの「がんばって働く方々」のメール環境をサポートしています。

完璧を求めなくて大丈夫

「最初から完璧にやろう」と思わないでください。

  • Webメールだけでも立派な独自メール環境
  • メールソフトは「おまけ」くらいの気持ちで
  • 失敗しても、何度でもやり直せます

あなたの価値は技術力ではありません

大切なのは、お客様とのコミュニケーションです。

  • メール設定の上手さより、相手への心遣い
  • 技術より、誠実なお仕事への取り組み
  • 完璧なメールソフトより、温かいメッセージ

一歩一歩、成長していけば十分

最初はWebメールから始めて、慣れてきたらメールソフト。 それで十分です。

急がず、焦らず、あなたのペースで進めてください。 「がんばるあなた」を心から応援しています。

困った時は、一人で悩まないでください

moribito worksの「ピットイン」サービス

3時間以内の作業は無料で対応します。

  • メール設定でつまずいた時
  • エラーが解決できない時
  • 「どうしていいかわからない」時

一人で悩まず、お気軽にご相談ください。 同じ「がんばる人」として、全力でサポートします。

 

まとめ:あなたにできます、大丈夫です

この記事を最後まで読んでくださった、あなたの「学ぼうとする気持ち」が何より大切です。

今日から始められること:

  1. Webメールで独自メールを体験
  2. 慣れてきたらThunderbirdに挑戦
  3. 困った時は遠慮なくサポートを利用

覚えておいてください:

  • 失敗しても大丈夫、何度でもやり直せます
  • 技術より、あなたの仕事への真摯な取り組みが一番大切
  • 一人で悩まず、頼れる人に相談することも大切なスキル

あなたの事業が、独自メールでより信頼される素晴らしいものになることを心から願っています。

応援しています。一緒にがんばりましょう!