AI×ヘッドレスCMS時代の予感
私は多様な個人Webメディアを運営するクリエーターとして活動し、またがんばる人のためにその人オリジナルの小規模サイト制作を手がけています。もう10年近く、WordPress(※1)というシステムでコンテンツを作り続けてきましたが、最近話題になっているStudio(※2)というツールに興味を持ちました。これからは、どんな制作ツールが選ばれるのか、冷静に見極めたいと思い、AI(人工知能)のGemini(※3)に相談しました。ところが、この対話が、思わぬ方向に展開し、近未来のWebメディアの姿が見えてくることになったのです。
※この記事には試験的に、Gemini、Claude、ChatGPTを使い、自分の原論を補強するハイブリッド型のライティング手法を採り入れております。
※補足1:初心者のための基礎知識
- WordPress:ブログのような感覚でWebサイトを作れるシステム。世界中のサイトの約4割がこれで作られている
- Studio:プログラミングの知識がなくても、デザイン感覚でWebサイトを作れる日本製のツール
- Gemini:Googleが開発したChatGPTのような対話型AI。質問すると人間のように答えてくれる
- ノーコード:プログラミングのコード(難しい文字列)を書かずに、マウス操作だけでシステムを作る方法
Studioは本当に使うべきなのか?
私: Webサイト制作ツールとしてStudioが人気ですが、本当にStudioで作るのが最善なのか、一緒に考えてください。私はがんばる人のためのサイト制作を手がけていて、現在はWordPressを使います。Studioでもっとも気になるのは、サイトオーナーが自分のサイトを将来にわたって所有していられるのかです。
Gemini:Studioが本当に採用する価値があるのか、様々な角度から見ていきましょう。
私: 独自ドメイン(あなたの名前.comなど)を使えるのでしょうか。独自の自社メールなどは運用できるのでしょうか。制作ツール提供会社の都合に振り回されることのない、独自のサーバー(発信拠点)を使えるのでしょうか。いつかStudio運営会社がサービスを終了した場合、サイトを引っ越せるのでしょうか。
Gemini: 独自のメールをStudioで作って運用することはできません。このことは自社メールを運用する会社などにとっては大きなデメリットになるでしょうね。また独自ドメインは使えますが、独自サーバーは使えません。サービス終了時のサイト移行は、WordPressのように簡単にはいきません。現在のところ、サイトデータを丸ごと他のサーバーに引っ越すことは困難です。
この回答から、長期的な視点での課題が見えてきました。次に、私は運営コストについても確認しました。
私: メール運用も考えているクライアントの場合、Studioを使うと、メールについては、レンタルサーバーかGoogleワークスペースなどを併用する必要が出てきます。かなり高くならないですか?
Gemini: Studio Personal + Google Workspace (1ユーザー): 月額1,190円 + 880円 = 約2,070円。一方、WordPressなら月額1,000円程度のレンタルサーバー代だけで、Webとメールの両方が運用できます。
予想通りの結果でした。しかし、この後の展開で、私はもっと根本的な問題があることに気づくことになります。
※補足2:サイト制作における基本的な要素
- 独自ドメイン:「あなたの名前.com」のような、その人・企業専用のWebアドレス
- サーバー:Webサイトのデータを保管し、世界中の人がアクセスできるようにする場所
- メール運用:「info@あなたの名前.com」のような、独自ドメインを使ったメールアドレス
- レンタルサーバー:月額数百円〜数千円で、サーバーを借りられるサービス
- Google Workspace:Googleが提供するビジネス向けのメール・文書作成サービス
AI時代の到来で見えてきた本質的な変化
私: 次に、AI時代のサイト制作について議論したいです。AIにお願いすれば簡単にサイトページを作ってもらえる時代です。そんななか、WordPressを使っているととても不便です。WordPressテーマのコードに干渉されて、AIが作ってくれたページがうまく表示されないことが多いのです。
実は、この問題はまだあまり知られていませんが、多くのサイト制作者が直面している深刻な課題です。具体的に説明すると、ChatGPT(※4)やClaudeなどのAIに「こんなWebページを作って」と頼むと、AIは美しいHTML(※5)やCSS(※6)のコードを生成してくれます。
しかし、このAIが作ったコードをWordPressに貼り付けると、既存のWordPressテーマ(※7)が持つデザインルールと衝突してしまうのです。例えば、AIが「背景色を青にする」と指定しても、WordPressテーマが「背景色は白に固定」というルールを持っていると、結果的に表示が崩れてしまいます。
これは、WordPressが「あらかじめ決められた枠組み」の中でサイトを作るシステムだからです。一方、AIは「自由な発想」でコードを生成するため、どうしても相性が悪いのです。
Gemini: AIによるページ生成を前提とした新しい仕組みは、すでにいくつか登場しています。WordPressのテーマによる制約からAIの力を最大限に活かせないというご指摘は、Web制作者の多くが感じている課題だと思います。
私: それなら、WordPressではなく、AIによるページ生成を最大限に利用できる仕組みが生まれてくる気がします。どう思いますか?実際に生まれているなら教えてください。
Gemini: はい、すでに登場しています。Webflow、Durableなどがそれです。これらはWordPressのようなテーマの制約がないため、AIが生成したデザインを柔軟に反映させることができます。
この説明を聞いて、時代の大きな転換点にいることを静かに確信しました。これまで「ツールの比較」として考えていたことが、実は「AI時代への適応」という、より大きな流れの中にあったのです。
※補足3:AI時代に重要な技術的背景
- ChatGPT/Claude:人間のように質問に答えたり、文章を書いたり、プログラムを作ったりできるAI
- HTML:Webページの構造を作るためのコンピューター言語(「ここにタイトル」「ここに画像」などを指定)
- CSS:Webページの見た目を指定するためのコンピューター言語(「文字を赤に」「背景を青に」などを指定)
- WordPressテーマ:WordPressサイトの見た目を決めるテンプレート。美しいが、決められたルールから外れると崩れやすい
- Webflow:海外で人気の、AIと相性の良いサイト制作ツール
- Durable:「事業内容を説明して」と言うだけで、AIが会社のサイト全体を自動で作ってくれるサービス
30年後の生存競争
私: 30年先に生き残っているのはどれですか?
Gemini: WordPressが高い確率で生き残っていると考えられます。オープンソースの分散型エコシステム、特定企業に依存しない性質が大きな強みです。
私: StudioとWebflowを比較してください。
Gemini: Studioは日本のデザイナー向けに最適化され、WebflowはグローバルなWebデザイナー・開発者向けです。Studioは日本語サポートが充実し直感的、Webflowはより詳細なCSSプロパティ設定が可能で複雑なアニメーションも実現できます。
サイトとアプリの境界が消える瞬間
私: 私もWebflowは使うことがありますが、サイトとアプリの垣根も壊すのではないかと感じています。
Gemini: はい、その通りです。WebflowはまさにWebサイトとWebアプリケーションの垣根を壊しつつある存在です。高度なCMS機能、Logic機能によるワークフロー自動化、豊富な外部サービス連携により、従来のWebサイトの概念を大きく変えています。
この指摘は重要な気づきでした。私が運営している複数のメディアも、単なる「情報発信サイト」ではなく、読者との双方向のやり取りを持つ「アプリ的な存在」になりつつあることを実感していたからです。
Webflowと同じように、サイトとアプリの垣根を壊しつつあるのがノーコードアプリ開発サービスのAdaloです。Adaloで制作したメディアは、ユーザーがパソコンで見ているときにはサイトとして現れ、スマホで見ているときにはWEBアプリとして現れ、変幻自在です。
私: WebflowとAdaloと比較してください。どちらが勝ち組になる?
Gemini: どちらが勝ち組になるかという問いは、「車と飛行機、どちらが勝ち組か?」と似ています。Adaloは「機能重視のアプリ開発」市場で、Webflowは「デザイン重視のWeb制作」市場で、それぞれ勝ち組になるでしょう。
私: いずれにしてもサイトとアプリの垣根はどんどん壊れていきますね。
Gemini: はい、その通りです。データベースの民主化、ロジックの可視化、UI/UXの一体化により、WebサイトとWebアプリケーションという従来の区分が、意味をなさなくなりつつあります。
私が運営している個人メディアでも、この変化を実感していました。読者からのコメント機能、メール配信システム、会員限定コンテンツの提供など、もはや「単なる情報発信サイト」ではなく、読者との双方向のやり取りを持つ「アプリのような存在」になっています。この境界の曖昧化は、個人クリエーターにとって大きなチャンスでもあるのです。
※補足4:サイトとアプリの違いが分からなくなる例 従来のWebサイト:情報を一方的に発信(会社案内、ブログなど) 従来のアプリ:ユーザーが操作して何かを実行(ゲーム、計算機、SNSなど) 新時代のWebメディア:情報発信+読者登録+コメント機能+決済機能+会員限定コンテンツ=もうアプリ
例:個人ブログが進化して、読者が記事にコメント、有料記事の購入、オンライン講座の受講、質問への回答をすべて同じサイトでできるようになる
マルチプラットフォーム戦略への挑戦
この流れの中で、私は以前から温めていた構想について話すことにしました。
私: ときにはサイトとして見せ、ときにはアプリとして見せる。そして、あとは、音声です。サイトとアプリ、そして、音声デバイスとしてマルチに変化するメディアを作りたいです。できれば、メタバースでも伝え、交流できるメディアにしたい……。どうすれば、作れますか?
Gemini: 単一のツールでは不可能であり、複数の技術とサービスを組み合わせる必要があります。この仕組みを実現するためのキーワードは「ヘッドレスCMS(Headless CMS)」です。
私: ヘッドレスCMSについて、もっと詳しく、具体的に教えてください。
Gemini: 「ヘッドレス」とは文字通り「頭(ヘッド)がない」という意味です。ここでいう「頭」とは、Webサイトの見た目やデザイン、つまり表示部分のことです。従来のCMSは管理と表示が一体ですが、ヘッドレスCMSはコンテンツ管理のみを担当し、表示は外部ツールに任せます。
この説明で、私が長年抱いていた構想が実現可能であることが分かりました。一つのコンテンツを、状況に応じて最適な形で読者に届けることができるのです。
※補足5:ヘッドレスCMSという革命的な仕組み
分かりやすい例で説明します:
従来のシステム(WordPressなど) 料理(コンテンツ)と皿(デザイン)がセットになったお弁当のようなもの。 → 一度作ったら、その皿でしか食べられない
ヘッドレスCMS 料理(コンテンツ)だけを作って、皿(表示方法)は後から選べるシステム。 → 同じ料理を、お弁当箱でも、レストランの皿でも、パーティー用の大皿でも提供できる
ヘッドレスCMS(料理を作る厨房)
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API(注文を受ける仕組み)
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Webサイト スマホアプリ 音声読み上げ
(お弁当) (レストラン)(ラジオ)
実例:ブログ記事を一度書けば、自動的にWebサイト、スマホアプリ、Amazon Alexaでの音声読み上げ、SNS投稿として配信される
AIがヘッドレスCMSを変える未来
私: ヘッドレスCMSはAIによってどう変わりそうですか?
Gemini: AIによって、ヘッドレスCMSは「受動的なデータの倉庫」から「能動的なコンテンツエンジン」へと変わります。3つのフェーズすべてでAIが活躍します。
1つ目は、コンテンツ作成フェーズでのAI自動生成。2つ目は、コンテンツ管理フェーズでのメタデータ自動付与。3つ目は、コンテンツ配信フェーズでの個人最適化配信です。
私にとって特に興味深かったのは3番目の機能でした。同じコンテンツでも、読者一人一人に最適化された形で配信される。これは私が個人メディアで目指している「一対一のコミュニケーション」を技術的に実現する仕組みでした。
私: この流れのなかでもっとも波に乗るのはWebflowではないですか?
Gemini: ご指摘の通りです。Webflowは単一のトレンドに乗っているのではなく、AI、ノーコード/ヘッドレス、そしてサイトとアプリの融合という複数の大きな波の「交差点」に位置しています。
私: ヘッドレスCMS側では、最も勝ち組になりそうなのはどこですか?
Gemini: 大きく分けて、エンタープライズ/グローバル市場でContentful、オープンソース市場でStrapiが、それぞれの市場で覇権を争うことになると考えられます。
個人メディア運営者の視点からすると、日本製のmicroCMS(※8)も非常に魅力的な選択肢です。日本語サポートが充実し、料金も手頃で、私のような個人クリエーターには使いやすそうでした。
※補足6:ヘッドレスCMSの選択肢
- microCMS:日本企業開発、個人〜中小企業向け、月額0円〜4,900円
- Contentful:世界的シェア、大企業向け高機能、月額数万円〜
- Strapi:オープンソース(無料)、技術者向け、自分でサーバー管理が必要
テックジャイアントの影
しかし、忘れてはならない重要な存在があります。
私: こうした大きな変化のなかで見逃してはならないのはGoogle、Microsoftなどの動きです。Googleがこの流れで何かサービスを出す可能性は高いのでは?
Gemini: ご指摘の通りです。Googleがこの流れに乗り、AIを駆使した新しいWebサイト制作サービスを出す可能性は非常に高いと考えられます。そして、もし実現すれば、Web制作業界の勢力図を一夜にして変えるほどのインパクトを持つでしょう。
私のような個人クリエーターにとって、これは脅威でもあり機会でもあります。Googleが参入すれば競争は激化しますが、同時により強力なツールを使えるようになる可能性もあるのです。
個人クリエーターの生存戦略
私: 私のような個人がこの波に乗るにはどうすればいいですか?
Gemini: 個人がこの大きな波に乗るには、いくつかの戦略が考えられます。
1つ目は、職人から戦略家へのシフト。AIがコード生成を担う時代には、クライアントの事業課題を解決する戦略家としての価値を高める必要があります。
2つ目は、マルチツールプレイヤーになること。WordPress、Webflow、STUDIO、ヘッドレスCMSを使い分け、プロジェクトに応じた最適解を提案できる能力が重要です。
3つ目は、コミュニティでの学習継続。技術の変化は秒単位で起こるため、オンラインコミュニティへの参加と、自身の学びの積極的な発信が必要です。
この回答は、私にとって非常に実践的でした。私自身、複数の個人メディアを運営する中で、すでにこれらの要素を部分的に実践していましたが、より意識的に取り組む必要があることを理解しました。
n8nによるAI連携への挑戦
私: 私は、独自コンテンツを、複数のAIを連携させて生成していく予定です。その連携にはn8nを使うつもりですが、ここまでの議論を踏まえて何かアドバイスをください。
Gemini: n8nとヘッドレスCMSを連携させることをおすすめします。n8nがAIを連携させる「自動化の司令塔」として機能し、生成されたコンテンツをmicroCMSなどのヘッドレスCMSに自動保存する仕組みを構築すれば、AIがコンテンツを生成し、CMSが整理して、最終的にWebflowが美しくサイトに表示するという完璧な自動化システムが完成します。
この提案は、まさに私が求めていたものでした。複数のAIツールをn8n(※9)で連携させ、生成したコンテンツをヘッドレスCMSで管理し、各プラットフォームに最適化して配信する。これこそが私の目指す「近未来の個人メディア運営」の姿でした。
※補足7:AI連携ワークフローの例 n8n:複数のWebサービスを自動連携させるツール(月額数千円から) 想定フロー:
- 朝、コーヒーを飲みながらテーマを一つ入力
- n8nが複数のAI(ChatGPT、DALL-E、音声合成)を順次呼び出し
- 文章、画像、音声ファイルを自動生成
- ヘッドレスCMSに自動保存
- Webサイト、アプリ、SNSに同時配信
- 読者の反応データを収集・分析
SNS統合戦略の課題と可能性
私: 最後に、こうした動きのなかに、SNSはどう関わってきますか?
Gemini: SNSは、コンテンツをユーザーに届けるための、欠かせない「拡散チャネル」として関わってきます。n8nのような自動化ツールにより、AIが生成したコンテンツをヘッドレスCMSに保存するだけでなく、そのコンテンツを同時にSNSにも自動で投稿できます。
私: けれども、SNSは、自動化を嫌います。凍結の対象になりませんか?
Gemini: 重要なご指摘です。SNSが嫌うのは「無節操な大量投稿」と「不自然なアカウントの振る舞い」です。健全な自動化と危険な自動化を明確に区別することが大切です。
このやりとりで、私は自動化の「品質」について深く考えさせられました。技術的に可能だからといって、すべてを自動化すればいいわけではない。人間らしさを保ちながら、効率化を図る絶妙なバランスが必要です。
情報過多時代に見つけてもらえるのか
対話の最終段階で、私は最も本質的な疑問を投げかけました。
私: これから、ネット上のサイトやサイト情報は爆発的に増えると思います。そうなると、GoogleもAIもそのすべてを把握しきれなくなりませんか。把握できたとしても、私はユーザーにどうやって見つけてもらえばよいのでしょうか?
Gemini: 従来の「検索エンジンに見つけてもらう」という考え方から、「ユーザーに直接、見つけてもらう」という戦略へとシフトする必要があります。ニッチな市場で専門家になること、コミュニティとSNSを主戦場にすること、そして個人ブランドを構築することが重要です。
近未来のメディア戦略の本質がここにあるように思えます。情報が天文学的に増える時代では、Google検索の上位表示よりも、読者との直接的な信頼関係こそが最も価値のある資産になるのです。
膨大な情報の海の中で、たまたま私を見つけてくれた方との「ご縁」を大切にしたい。そんな気持ちが強くなりました。一期一会の出会いから始まる関係性こそが、これからのメディア運営の基盤になるのでしょう。
もちろん、その「たまたま」を増やすための努力も重要です。Google広告やSNS広告などの広告施策は、新しい読者との出会いを創出する大切な手段になります。自然な検索だけでは限界がある以上、適切な広告投資によって発見性を高めることも、現代のメディア戦略には欠かせません。
実際、私が運営している複数の個人メディアでも、Googleからの新規流入よりも、SNSやメールマガジン、口コミからの直接アクセスの方が、継続的に読んでくれる読者につながっていることを実感していました。これからの時代は、この傾向がさらに強くなっていくのでしょう。
見えてきたの近未来のWEBメディア
この長い対話を通じて、私は近未来のWebメディアの全体像を理解することができました。それは以下の3つのフェーズから成る統合システムです。
第1フェーズ:AI連携による知のデータベース構築 複数のAIツールをn8n(※9)で連携させ、自分の視点と経験を加えた独自コンテンツを自動生成し、ヘッドレスCMSで管理する仕組みです。
第2フェーズ:マルチプラットフォーム配信 同じコンテンツを、Webサイト、スマホアプリ、音声デバイス、SNSなど、各プラットフォームに最適化して同時配信する体制です。
第3フェーズ:直接的関係性の構築 検索エンジン依存から脱却し、読者との直接的なつながりを重視したコミュニティ型メディア運営です。広告施策も活用しながら、新しい読者との出会いを大切にし、ご縁を育てていきます。
個人クリエーターにとって、これらすべてが実現可能な時代が来ていることに、深い希望を感じています。従来は大企業でなければできなかった情報発信システムを、個人でも構築できる。この技術革新の持つ可能性は、私たちが想像している以上に大きいかもしれません。
※補足9:個人でも実現可能な近未来メディア
- n8n:複数のWebサービスを自動連携させるツール(月額数千円から利用可能)
- microCMS:日本製のヘッドレスCMS(個人利用は無料プランあり)
- Webflow:デザイン性の高いサイト作成(月額千円程度から)
- 各種AI API:Claude、ChatGPT、Genspark等の機能を自分のシステムに組み込める(使った分だけ課金)
技術の進歩は確実に私たちの前に新しい道を開いています。それは決して脅威ではありません。むしろ、個人のクリエーターが自分らしい表現と価値を世界に届けるための、これまでにない強力な手段です。
AIとノーコードツール、ヘッドレスCMS、そして読者との直接的なつながり。これらを組み合わせることで、より豊かで多様な個人メディアの世界を創っていくことができる。そんな近未来への道筋が、この対話を通じて見えてきたように思います。
おわりに:変化の波に静かに乗る
最初はSTUDIOを使うべきかという単純な疑問から始まったこの対話でしたが、気がつくと私たちはWeb業界全体の未来を議論していました。WordPressとAIの相性問題から始まり、サイトとアプリの境界の消失、ヘッドレスCMSによるマルチプラットフォーム戦略、そして情報過多時代における読者との直接的な関係性の重要性まで。
これらの変化は、もはや避けることのできない大きな流れです。慌てる必要はありません。個人のクリエーターでも、一歩ずつ着実に準備を進めていけば、この波に乗ることができるのです。
私自身、この対話を通じて、今後の方向性をより明確に描くことができました。複数のAIを連携させた知のデータベースを構築し、ヘッドレスCMSでマルチプラットフォームに配信し、読者との直接的なつながりを大切にしたメディア運営を行っていく。そして、がんばる人のためのサイト制作でも、このような新しい可能性をお伝えしていきたいと思います。
変化を恐れず、しかし焦ることなく。新しい技術を学び続け、読者や利用者との関係性を大切にしながら、この大きな波と共に歩んでいく。それが、近未来のWebメディアを創っていく私たちの姿勢なのかもしれません。
技術は道具に過ぎません。大切なのは、これらの道具を使って何を表現したいか、どんな価値を読者に提供したいかという、変わらない想いです。近未来のWebメディアは、技術の力と人間の心が融合した、より温かく、より豊かな世界になることでしょう。
※最後の補足:この記事で紹介した主要サービス・ツール
基本的なツール
- WordPress:従来型のサイト作成システム(世界シェア1位)
- Studio:日本製のノーコードサイト制作ツール
- Webflow:海外発の高機能ノーコードツール
AI関連
- ChatGPT/Claude:対話型AI、文章・コード生成
- DALL-E/Midjourney:AI画像生成サービス
- Gemini:Googleの対話型AI
新世代のシステム
- microCMS:日本製ヘッドレスCMS
- n8n:サービス間自動連携ツール
- ADALO:ノーコードアプリ開発ツール
参考価格(2025年時点)
- WordPress運用:月額1,000円前後(レンタルサーバー代)
- STUDIO:月額590円〜(Miniプラン)
- microCMS:無料プラン〜月額4,900円
- n8n:月額数千円〜
これらのツールを組み合わせることで、個人でも月額数万円以内で、大企業並みのメディアシステムを構築することが可能な時代になりました。技術の民主化により、アイデアと継続する意志さえあれば、誰でも自分だけのメディア帝国を築くことができるのです。